虫の歩行3 虫の歩行の、秘膜各層をひらく

1.虫の歩行をさまざまな秘膜で練習する。

土方の虫の歩行の原テキストには、もとからさまざまな層の秘膜が登場する。
土方は、日常体では忘れ去られている、
命のもつ原始的な体感である秘膜の鋭敏な感受性を開けという
メッセージをこの短いテキストに遺言のように織り込んでいたのだ。
生命の秘膜は、彼の言う自他分化以前の沈理の世界に属する。
これを開くことが異次元を自在に往還して舞踏を創造した
土方の無限変容する体感と並外れた想像力を受け継ぐ舞踏創造の秘密なのだ。


「虫の歩行」

1.右手の甲に一匹の虫
2.左首筋からうしろへ降りる二匹目の虫
3.右の内ももから上がってくる三匹目の虫
4.左肩から胸を降りる四匹目の虫
5.五匹目 自分で知覚
6.あっちも こっちもかゆい その場にいられない かゆさに押し出される
7.あごの下 耳のうしろ ひじのうしろ 膝のうしろ ベルトのところ に
五百匹の虫
8.目のまわり 口のまわり 耳の中 指の間 すべての粘膜に五千匹の虫
9.髪の毛に虫
10.毛穴という毛穴に虫
11.その毛穴から 内臓に虫が喰う 三万匹
12.さらに侵食し 毛穴を通って外に出る虫 身体のまわり 空間を虫が喰う
13.さらに空間の虫を喰う虫
14.その状態に虫が喰う
15.(樹木に五億匹の虫――中身がなくなる)
16.ご臨終です (意志即虫/物質感)」


1-1 秘膜各層で、虫の歩行を練習する。

1.右手の甲に一匹の虫
2.左首筋からうしろへ降りる二匹目の虫
3.右の内ももから上がってくる三匹目の虫
4.左肩から胸を降りる四匹目の虫
5.五匹目 自分で知覚
6.あっちも こっちもかゆい その場にいられない かゆさに押し出される
7.あごの下 耳のうしろ ひじのうしろ 膝のうしろ ベルトのところ に
五百匹の虫
8.目のまわり 口のまわり 耳の中 指の間 すべての粘膜に五千匹の虫

原テキストの1-8は、皮膚の表皮を這う虫のクオリアで動かされるが、
この皮膚を秘膜各層に転換する。
たとえば、胎児期の胞衣に発生起源をもつ、秘膜第1層の不触不離の層を
虫が這うという体感によって突き動かされて動く。
さらには、虫から別のものにこの秘膜が侵されたり、かじられたりする
別のクオリアの体感によって動かされて動く。
外側の秘膜第2層、第3層を虫が歩く、別のクオリアに侵されるなど、
秘膜各層の鋭敏な感受性、受苦性を順次開いていく。

2.体液層から筋肉、深層筋、骨、内臓までの内部秘膜各層


9.髪の毛に虫
10.毛穴という毛穴に虫
11.その毛穴から 内臓に虫が喰う 三万匹


皮下にも各層の秘膜層がある。
皮膚は内部の生きた細胞と体液を守る死せる細胞のシェルターである。
皮下秘膜第1層の体液組織層、表層筋層、秘筋(深層筋層)、骨、秘腔、内臓と、
内部秘膜が侵され、喰われ、腐食するプロセスを感じながら
虫の歩行のテキストをたどる。
自分の各サブボディがもつ独特の秘膜を探り出す。

3.世界層の秘膜

12.さらに侵食し 毛穴を通って外に出る虫 身体のまわり 空間を虫が喰う
13.さらに空間の虫を喰う虫
14.その状態に虫が喰う
15.(樹木に五億匹の虫――中身がなくなる)
16.ご臨終です (意志即虫/物質感)


土方は、からだの内外の各層の秘膜層を知っていた。
幾層にも外部秘膜層があり、独自の変幻を遂げる。
世界層の秘膜は、胎児にとっては母体そのものであった。
君が胎児として母の胎内にいたころ、
母の世界に何が起こっていたか、一心に耳を傾ける。
まだこの世を見たこともなかった胎児は、ただ秘膜で世界と共振していた。
世界とともに震えている世界層の秘膜をみつける。
そこでは世界と自己がひとつである。
世界がゆがめば自己もまたゆがむ。
一見逃れることのできない運命に私たちの命は捉えられている。
だが、その世界の束縛から脱出するのが創造なのだ。
生命は別の異次元を発見し、そこでの生き方を創造してきた。
40億年間それを続けている。
君の命ははどんな異次元を開畳し、、
そこでのどんな生き方を発明することができるだろうか。




関連技法

虫の歩行 1
虫の歩行 2 君自身の舞踏へ
虫の歩行 3 秘膜各層を開く
虫の歩行 4 虫の序破急
序破急
秘膜
秘膜の深さ
秘膜各層の由来
秘筋
秘節
秘腔


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