<急>――揉み寄せ、発明、命に転生


<急>――揉み寄せ、発明、命への転生


さまざまな<急>がある。
その踊りが何であるかを決めるのは<急>次第だ。
自全魔界を遍歴しているうちに、
ついに命そのものに転生する次元が開くときがある。
個体としての命ではなく、類としての大きな命の源につながる。
それが見つかれば、それは紛れもない<急>だ。
自全の総体がふるえだすので分かる。
だが、いつもそれが見つかるとは限らない。
だから、<急>は最大の発明のしどころなのである。
順手ならば、さまざまな動きを短時間のうちに次々と見せ、
手数を増やして揉み寄せ、緊張を極限まで高めていく。
それが揉み寄せの<急>だ。
これだけでも<急>になりうる。
それを踊っているうちに、踊りの芯が見つかるときがある。
それが最後の<急>だ。
命に聴けばいい。
「この踊りを何千万回繰り返せるかい?」
命が「然り!」と答えれば、
それは紛れもない君のサブボディにとっての<急>である。
激しいクライマックスに至る<急>もあれば、
静寂の極致に至るアンチ・クライマックスの<急>もある。
華やかな花を見せる<急>もあれば
真っ暗な謎の中に沈んでいく<急>もある。
いや踊りにはこのどちらもが必要だ。
その踊りの花と謎を最果てまで開け果てる。
それができたら<急>を踊ったことになる。
世界でまだ誰も見せたことのない<急>を発明すること。
それが<急>の課題である。

そこで、踊り手はこの世の姿かたちを惜しげなく脱ぎ捨て
他界の住人に転生する。
この世に異界からのまなざしを差し向ける。
この現世はクオリアの輝きに満ちている。
命はそれらとまばゆいばかりに共振している。
だが、死の世界は、どんなクオリアとも共振することはない。
共振なき世界から、共振世界を見つめる。
死者となって始めて生者に届けることのできる
臨生のまなざしだ。

そのまなざしは現世に生きている観客に、
そこで生きろ!と告げる。
そここそが君の生きる場所だ。
見てみろ輝かしいクオリアに満ちているではないか。
豊かな共振にあふれているではないか。
自分の日常世界の豊かさを忘れて退屈し、
踊りなどを見に来ている観客に、
今いる場所で創造主として生きろと告げる。
それが命からから命へのメッセージだ。

<急>とはこの、命から命への伝言がにじみ出てくる踊りの謂いだ。
それが見つかるまで、何年も待たねばならないこともある。
それまでは、揉み寄せの<急>を踊ればよい。
そのときを待つしかない。




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