振付とはなにか

からだの闇の精密な地図

振付と即興の関係とはなにか。
わたしにとって、この二つの関係は長い間の謎だった。
どちらも好きだった。
あれかこれかという問題のたて方をしていた間は
この謎を解く鍵はみつからなかった。
そう、この両者はとても複雑な
多次元的な関係を持っていたのだ。

振り付けとはなにか

一般の人は、振付とは踊りの動き方を固定したものだ
という捉え方をしているだろう。
だが、サブボディ・メソッドにおける振付とは
まったくそんなものではない。
そもそも、踊りの振付は、自分の意識でつくるものという
根源的な誤解に囚われている。
わたしも長い間そうだった。
だが、踊りをつくるのは自分の意識ではない。
おどりは下意識のからだ、サブボディさんが
勝手に生み出すものだ。
意識はそれに驚きたじたじとしながら、
忘れまいと必死で追いすがることができるに過ぎない。

サブボディの踊りの振付とは、
からだの闇にどこをどうたどって入っていけば、
からだがどんな状態になり、そのときどんな人が踊りだすか、
という精密な地図なのだ。
だから、調体と呼んでいる
からだのコンディショニング(調整法)から、
探体=からだの闇の坑道をどう掘り進め、どう探り出したか、
創体=実際の踊りを創る段階までのからだの流れを
そっくり保存し、精密に固定することで
そのプロセスを精確にたどりさえすればいつでも
同じからだの状態になり、
おなじ人が出てきて同じ踊りをしてくれる、というものだ。

サブボディには、原生的な下等生物的な動きをする
<原生体>の系統や、
からだの闇に封印されているサブ人格や、影、not-meなどの
<異貌体>の系統、
他の人やいきものが勝手に入ってくる<憑依体>の系統など
さまざまな系統がある。
これらの系統のいずれにせよ、みなそれぞれの
手続きと精確なプロセスをたどることで
からだに呼び出せるようになる。
その呼び出し方が振り付けなのだ。

だから、動きの道筋だけではなく、
その人たちの呼び出し方ともいえる調体がとても大切になる。

からだの闇の不可視の多次元空間に、
少しずつ坑道を掘り進め、
さまざまな十体を呼び出す精密な地図を作っていくこと。
これが自全の探索である。
そのうち穴だらけのからだになることは間違いがない。
無数の分身たちへの坑道が縦横に走りぬける。
風通しがよくて、とてもすがすがしいものだ。
なれれば、さっとひとつの十体ボタンを押せば、
すぐそのからだに変成できるようになる。

たとえばわたしの<侏儒体>という小人のからだは
次のような分身坑道をたどって呼び出す。

1.ちょっと内気な気持ちになる
2.首をすくめていく
3.斜め上下に目を素早く動かす
4.さらに背骨を小さくすくめる
4.タイの山岳民の友達の顔を思い出す
5.いいたいことがたまって口が歪む
6.よちよちと用心しながら手を差し出す
7.これでできあがり。

このあと、この侏儒が登場する作品によって、
さまざまな動き方の違いがあるがそれは省略する。
ことばで書けない微妙な心身のコントロールが、
これ以外にかなり占めているが、
書ける分だけ紹介すればこんなものだ。
何十度もたどった坑道だから、間違える余地はない。
必ず、同じやつが出てきてくれる。
これがサブボディの振付だ。



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