動絡共振


指圧など東洋医学では経絡という概念を、からだの中の情報経路という意味で使う。もとより単なる物質的な経路ではない。神経や血流や免疫系などさまざまな経路を通じて行われている生体内の総合的な情報経路を指す。

指圧や灸など、病めるからだを癒すときは、からだを静止した静体として扱うのがいいだろうが、踊りではからだはいつも動いているものとして扱う。静止もまた動きのひとつに過ぎない。この動体としての生体内では

静止したときとは異なる速度で膨大な情報が走る。ひとつの踊りを踊るとき、踊り手は自分の刻々と変化するからだの位置、姿勢、土台の安全性の確認、ほかの人との間合い、障害物との距離、見ている人の反応、自分のからだの中の流れなど膨大な情報を一掴みにつかみ、一刻一刻総合し、次の動きへ身を投じていくことをやっている。それらは意識で行っているのではない。意識ではとても間に合わない膨大な情報を下意識裏で、しかしすべてを透明に統括して動いている。このときの心身状態をわたしは、<透明覚>と呼んでいる。

そのとき、からだを縦横に走行している情報の経路を<動絡>として想定することができる。実際に踊るときのからだではそれを感知しつつ踊っている。

ほかの人の動絡を感じることもできる。誰かとともに踊るとは相手の動絡と自分の動絡の間に起こる共振を楽しむことだとさえいえる。

とくに動いている相手のからだの域内へ入っていくとき、相手のからだの圏内の領域と触れ合う部分の動絡が共振していいようのない快感が走る。

この動絡と動絡の共振を感じつつ動く。

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