変容法 2  秘腔(ヒドゥン・キャビティ)


秘腔(ヒドゥン・キャビティ)から変容する

からだの中には、日常体が忘れてしまった体腔が無数にある。
すべて、進化のある段階では重要な役目を果たしてきたものだ。
そういう秘められた体腔をすべて、自在に動かせるようになるまで訓練をつむ。

すでに述べた腹腔・胸腔などの体腔や、口腔、鼻腔、眼腔などを
自在に変形することによって、アメーバや粘菌、腔腸動物などになりこむことができる。
命に今日はどんな生き物になりたいかを聞き、体腔から変成していく。
そこから自分特有のサブボディ原生体が生まれてくる。

それらの大きな体腔に加え、上図の微細な副鼻腔、前頭腔などが存在する。
頭を下にした姿勢で水中に潜ったとき、そこに水が入ると、キィーンと強烈に痛む部分だ。
ごくごく微細な隙間だが、これらの微細体腔と口腔音や体腔音とが共振することによって、
モンゴルやチューバのホーミーなど、異次元の音声を開くことができる。
モンゴルの人々はそれを天の声として聴いている。
アフリカのピグミーさんや、南太平洋のソロモン諸島の人々も独特の発声法をもつ。
西洋で発展し、いま全世界の音楽を覆っている12音階元型に侵されていない人々の
自然共振音楽から、深く学ぶことだ。
手足の表面的な動きではなく、
からだの深層から変成するサブボディ舞踏の極意とはなにか。
第一に、人間という思い込みを脱ぎ去ることだ。
第二に、人間という型に囚われている日常のからだを脱ぐことだ。
仙腸関節、胸鎖関節、四肢の第四関節など隠された関節を
開き、三次元方向に自在に動けるようになることが
まず、物理的に要求される。これが身についてはじめて、
次の「体腔から変成する」段階に進むことができる。
第三は、ここで述べる「体腔から変成する」技術を身につけることである。
うわべの動きではなく、からだの深部から別の存在に変成するサブボディ舞踏は、
ここから始まるといってよい。

以下の体腔三元変容・口腔三元変容からはじめる。
調体法の「体腔三元」、「口腔三元」を行ってから次にすすむ。



体腔三元
変容

体腔を球体としてイメージする。
その球体の各部位を任意に膨らませたり、縮めたりできる
からだの技法を身につけることからはじめる。
膨張・収縮ができるようになれば、自在に質や速度を変えていく。
さらにさまざまなチャンネルが開いてくればそれに従う。
どこからどんな異次元が開畳してくるか
自分でも予断のできないからだにまで変成する。

口腔変容

体腔の次は、もっと微細な口腔・鼻腔。眼腔にすすむ。

口腔が三元方向にゆがみ、変形を受ける。
誰がそう変形しているのか分からない。
顔が歪むに連れて、眠っていた情動や感情の封印が解けて蠢きだす。
関係像のチャンネルも連動する。
体腔も口腔も鼻腔も眼腔もつながっている。
情動と関係像と世界像=自己像はひとつにつながっている。
それらをがぎつぎと開き、変容するに任せる。
ついには自分全体を自在に変幻する技術が身につく。

眼腔変容

眼のくぼみがなにかの力によって変形を受ける。
情けないことだが仕方がない。
それにしたがっているうちに、変な自分が出てくる。
そいつを受け入れ楽しむ。

体腔音像変容

体腔三元口腔三元に連れて、体腔の奥から
自然に息と共に出てくる体腔音を開く。
人間の声ではない。いのちが勝手に出す声を聴く。
からだの中を自在な体腔音像が流れるに任せる。
音像がいざなってくれる独特の世界に誘われ出る。



上図の、副鼻腔や、頭蓋骨内の微細な空隙に、体腔・口腔音が共振すると、
モンゴルや、チューバのホーミーとなる。
異次元と共振する音像を出現させる。

体腔音情変容

口腔三元や体腔音三元には、必然的に情動が連動する。
情動や感情のうねりが伴ってくればそれに従う。
感情の変容は関係像の変容、世界像ー自己像の変容に必然的につながる。
起こることすべてを受け入れ楽しめばよい。

関係像・世界像=自己像変容

動きのチャンネルから、他のチャンネルへの変容が起こればそれに従う。
とんでもない予期せぬ出来事がどんどん起こりだす。
目が凹み、声が押しつぶされ、胃袋が誰かにつかみ出される。
地面が褶曲をはじめ、脳みそがかき回される。
いつのまにか深海底流を漂っている。
気圧がどんどん重くなる。
からだの一部が壊れる。
壊れたパーツが気化して逃げていく。
どこか異次元で凝集して転生する。

からだの深部に、影やnot-meとして長年封印されていた異貌体が顔を出す。
時には他の存在のクオリアに共振する憑依体が現れるかも知れない。
なにが起こっても、生命が内外のクオリアと共振していると理解すれば
なにひとつ不思議なことも怖いこともない。
起こることすべてを受け入れればよい。
世間に流通している時代遅れの元型や共同幻想で了解することは避けたほうが良い。
そんな観念は起こっていることを不透明にするだけだ。

やがて自分にとって避けられない課題に直面するまで続ける。
たとえばアニマ、たとえばアニムス。
たとえば瀕死、たとえば烈火。
それを踊るしかないときがくればそれに従う。

前にも書いたが、この練習は、自全と世全(世界全体)の旅の中で
どんな奇妙な異貌の自己に出会っても受け入れられる心身の準備ができてから行う。

(この変容法は以下の調体法・探体法と切れ目なくつながっている。)

→体腔三元

→口腔三元

→リゾーミング探体

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