山の歩行

石の歩行より続く)

石の歩行から、山の歩行へ

全身が石に変成すると、重心はさらに地下へ移動する。
地下1メートルにある重心とともに動く。
重心が地下2メートル、3メートルと下がり続ける。
からだが地下の岩にまで拡大する。
やがて地下5メートルにある重心とともに動く山になる。
地下の岩盤ごと動く。
地下の世界のあらゆるクオリアを引き連れて動く。
泰山が鳴動するがごとく動く。

全山の歩行

ヒマラヤの山になる。
山に起こるあらゆる事象を運ぶ。
山腹の雪渓で雪崩が起こる。
大小さまざまな規模で雪崩が起こる。
氷結によって盛るあがる部分が出てくる。
どこまでも盛り上がる。
山の森の中をさまざまな生き物が動く。
ヤギの群れが移動し、それを追って狼の群れが走る。
獣が走り、蛇が這う。
蛇が体の一部に入り、蛇に変成する。
鳥が飛ぶ。
鳥の群れが手に入り、手が鳥の群れに変成する。
徐々に体の各部が鳥の群れになる。烏合体。
雲がたなびき、体の一部が気化して雲になる。霧になってたなびく。
風が起こり、嵐が吹きすさぶ。
地すべり、落雷、山火事、地震、…あらゆる天変地変。
それら山に起こるあらゆる事象を運ぶ。
山の歩行をベースにした巣の歩行となる。
そこから見たこともない変成が始まる。

キメラになる


山の一部から変成が起こり、全身に波及していく。
このリゾーミングのプロセスが進むとき、からだの残りの部分はまだ当初の山のままである。
ひとつのからだに異なるクオリアが同居する、キメラを踊る。
ライオンの頭、蛇の尾、ヤギの胴をもち、口から火を吹くギリシア神話の怪獣のように
この世には属さぬものになる。
この技法によって、世界でたった一つしかない創造が無限に可能になる。
恐れることなくキメラを踊れ。
そこは創造の宝庫だ。

山の目を開く

山に成りこみ、山の目で人間世界を眺める。
ヒマラヤの山のように、ただ静かに下界を眺める。
これもひとつの他界からのまなざしである。
死せる世界のまなざしで、生きた世界を見る。
生とは何か、死とは何か、
見る人をことごとくこの問いに引きずりこむ。
死に真向かうときにだけ、人は生とは何かを知る。
さまざまな死体に変成する舞踏に触れることによって
人は生とは何かに気づく。
そして、日常に縛られた生き方だけではなく、
こうも生きれる、ああも生きれることに気づく。

無限の多様な生き方に満ちた世界への変成がそこから始まる。
舞踏を踊るとは命の創造を体現しえたものが、命にお返しをする営みなのだ。


山の歩行から異次元に転生する

山を運ぶ、山のまなざしを運ぶ。
山の巣から、さまざまなクオリアが増幅され、べつのからだにに変成する。
異次元が開かれ、体ごと転生する。
山はあらゆるものと共振しているから、
無数のものへ、変成することができる。
雪崩から粘菌へ、
霧の歩行から水中体へ、
植物の原初体から獣体へ、
山が気化する。
山が液化する。
無数のサブボディ、コーボディへ変成する。
さまざまな死せるもののまなざしで、生きとし生けるものの世界を眺める。

さまざまな歩行練習の中で、命に聴き、
自分のサブボディにとってベースとなる歩行を見つける。
石の歩行、山の歩行を身につければ、君の踊りの幅を大きく広げてくれるだろう。

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