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実技ガイド
調体法6  六道ゆらぎ
 
六道ゆらぎを通じてさまざまな異界と交感するからだになる


たちの命は、実にさまざまなものと共振している。
重力や空気や光や音や風など、環界のさまざまな要素と交感しているのは見やすいが、それだけではない。
思い出せない夢や遠い生命記憶や死んだ人のクオリア、
意識できないからだの傾性など、
多くの不可視の異界のクオリアと共振している。
それが生命の実態だ。
調体六番では、六種の動きを通じて、さまざまな異世界と交感し、
多数多次元の異界に開かれたからだに変成する。
まず、からだのあらゆる部位に、下記のふるえ,ゆらぎ、うねり、ショック、潰れ、死のクオリアを順々にあるいはランダムに通していく。
その物理的な動きのクオリアが、何らかの記憶のクオリアと強く共振し、ひとつになる瞬間を待つ。それをその日の発見として、名前をつけ、からだの闇に保存する。それらのクオリアの蓄積が、やがて<からだをくもらす>技法につながっていく。
いつも、からだのまわりの秘膜各層に多数多様な固有クオリアを溜め込み、着込んでいく。即興で踊るときも、振り付けを創るときも、それらからだにまとう固有クオリア群との共振が思わぬ動きを誘い出してくれる。

1 ふるえ(Vibration)
細胞生命は微細な震えによって、環界と共振している。
細胞のさまざまな震えに成り込む。
すると、大地の微細な振動や、空気の振動にも共振していることがからだでつかめる。
そしてそれら外界と共振する外クオリアは、
細胞内に保存された内クオリアの記憶とも瞬間ごとに共振している。
震えは実に多彩な生命共振の現れである。寒さのふるえ、見えないものへのおびえのふるえ、意欲や期待の前触れとしてのふるえ、などさまざまな震えがある。その微細さを感じ分けながら、身体のどこかの部位のその日の固有のふるえをを見つけ、蓄えこむ。
そして、
さまざまなふるえの微細さを踊り分けることのできる身体に変成していく。これは自分で時間をかけて築き上げていくしかない。
やがて内外のクオリアにこだわらず、
何かひとつの傾性のみに囚われることのない透明なからだになる。

2 ゆらぎ(Sway)
ふるえがさまざまな時間を孕むと波長が伸びゆらぎになる。
生命は心地よいゆらぎによってあらゆるものと共振している。
命のゆらぎをたっぷり味わう。
固形物のゆらぎ、体液のゆらぎ、呼吸のゆらぎ、
そよ風やせせらぎのf分の1ゆらぎ、
記憶や夢が消えていったり、思い出されたりするゆらぎ、
そして、現世から異界に気化していくゆらぎ。
ゆらぎは
不可視の異世界への通路でもある。
気化するからだは、多彩なゆらぎを身につけることからはじまる。
多数多様なゆらぎをからだの各部に通していく。毎日、新しいゆらぎのクオリアが見つかるまで続ける。

3 うねり(Wave)
あらゆる生き物は固有のうねりを持つ。
アメーバのうねり、イモムシのうねり、蛇のうねり、獣のうねり、
伸びて行く植物のうねり、・・・それらはまた、原初の海のうねりとも関わっている。
からだの中の原生的な生き物のうねりが不意に出てくる瞬間をあじわう。
からだの闇には実にさまざまな命のうねりがひそんでおり、
命が経てきた
さまざまな生物種のうねりに続いている。
その日のいのちがもっともよく共振できるうねりをみつけ、からだに刻印する。

4 ショック(Shock)

細胞生命は、命が40億年の間に受けたさまざまなショックを記憶している。
原初生命がごくごく微細だったので、ほんのわずかな刺激でも巨大なショックとして受け取った。
雨粒、埃、虫などの小さな刺激から、波、風、石、地震、雷、火事、親父に至るまで
あらゆる刺激を受けて、それに動かされるクオリアを味わう。
生命をとりまく異界からのシグナルの多くは、ショックとしてやってくる。
やがて、命が受けたショックならどんなものでも受け入れることができるからだになる。
命はそれらの衝撃をすべて体験し、乗り越えて生き延びる術を発明してきた。
命の底しれない智慧を味わうことができる。
ショックのクオリアは、いのちにとって世界変容のクオリアにつながっている。分娩時の子宮の収縮、保護者の突然の消失、天変地異、などなど
世界変容と自己変容が同時に引き起こされるクオリアを探る。

5 崩壊(Collapse)
強い衝撃や刺激・圧力がが続けば、体の一部は壊れ復元性を失う。
へし折れ歪んだ不自由なからだになっても、なお命は生き延びようとする。
制限された動きの中で、なんとか生き延びる道を発明するのだ。
命にはこの無限の発明力が備わっている。
不自由の極みまで押しつぶされたからだになって、
そこから、どんな動きが発明されてくるかをあじわう。
そして、不自由なまま死んでいった同胞の苦しみとも共振する。
不具のからだ、障害をもつからだこそ、深い生命共振美である
<癇の花>の土台となるものだ。

6 死(Die)
最後は死だ。死は命が最も身近に感じているクオリアだ。
百兆個あるからだの細胞のうち毎日何百万もの細胞が死に、
新しく誕生している。
生死の淵でゆらぎ、たえず死の淵から帰ってくる。
そして、あるとき、往ったきりになる。
死の側から、この世を見つめる
この世が共振に満ち、ゆたかなクオリアに満ちていることが感じられる。
わたしたちはもともと、40億年の悠久の命から、
ほんの百年足らずの命を借り着している存在だ。
死ぬ前に、命に自分の創造の限りを返す。
それができたら笑って死ねる。
それが生死の序破急成就だ。




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