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調体法5−1  五秘 1 秘筋

調体五番では、秘筋、秘関、秘腔、秘液、秘膜など、
日常体が忘れ去っている部位のクオリアを開く。
その一が秘められた深層筋、秘筋である。



からだには表層筋と深層筋がある。
秘筋
表層筋は比較的まっすぐに関節と関節をつなぐ大きな筋肉で、意識で制御しやすい。
日常行動や、力の要る収縮や伸展の運動は、
おもに表層筋を制御するという意識で行われている。
だが、からだを支え動きの微細な調節は、意識的な表層筋だけでなされているのではない。
深層筋はまっすぐな表層筋の下を斜めにクロスに走り、無意識的にからだを支え、
微妙な調節を無意識裡にたずわわっている。
大脳の運動皮質のみならず、意識できない小脳によって制御されている。
表層筋
深層筋
最深層筋

表層筋と深層秘筋(左端)

動きの微細な表情を生み出すのは、深層筋なのだ。
意識されないからだに秘蔵されている筋肉だから、秘筋と呼んでいる。
意識されず忘れ去っている秘密の関節(秘関)もまた、
縦横斜めに走る秘筋によってつながっている。

深層サブボディと深層秘筋

意識されている大きな筋肉で動く雑なからだは意識にとってのメインボディであり、
下意識の管轄下にある秘筋や秘関のからだはサブボディである。
そこには無数のサブボディがくぐもっている。
恐怖で身をすくめた記憶は秘筋と結びついている。
喉元や舌の付け根の秘筋には、言いたかったのに言えなかったことがたまっている。
顔の秘筋には出遅れた感情、表情がすくんだままになっている。
やりたかったけれどできなかったこと
切望していて忘れてしまったこと、かなえられなかった願い、欲望、衝動、
抑えられて封印されたからだが無数に潜んでいる。
息をつめてかがんだ姿勢のまま何十年もうずくまったままになっている。
その小さな人たちを解放してやる。

表層筋を止め、秘筋だけで動く訓練をすることによって、
一挙に見たこともない動きをするサブボディがでてくる。
秘筋は命の創造の宝庫なのだ。

秘筋のためのツイストストレッチ

秘筋は斜めに走っているので、通常の運動選手がするようなまっすぐなストレッチでは
秘筋は活性化されない。
あらゆる部位を伸展位で極限までねじり、
また、折りたたまれた屈曲位でねじり、ねじれ返すことが必要である。
骨盤や肩甲骨、肋骨などを極限までねじった姿勢で、四肢や首をさらに動かし、
触れたこともない未知の空間に未知のクオリアをまさぐる。


秘筋だけの動きを発明する


エイリアンウオーク
からだのあちこちの秘筋が、ランダムなリズムで収縮、伸展する。
脚はその結果として位置を変える。決して自分で歩くのではない。

ブレイクダウン
からだを支えている秘筋が、下肢から順に弛緩して崩れ落ちる。
自分の崩壊のパターンを見つけからだに刷り込むまで練習する。

原生体
見たこともない生き物になりこむ。
人が使わない秘筋で動く生き物だ。
あるいは筋肉などない絶滅したカンブリア生物や軟体動物の動きも
秘筋を連動させることで生み出せる。
きみだけの原生体を発明せよ。

傀儡体
傀儡もまた、他の力によって操られる。
無限の動かされる動きをからだに刷り込む。

巣窟体
巣窟体へは、からだじゅうの秘筋に巣食ったサブボディが
最小限の独特の震えやゆらぎをはじめることによって変成する。

異貌体
異貌体の動きも秘筋からなる。
長い間からだの闇でうずくまっていたので
奇妙な形に変形してしまっているかも知れない。
ろくに歩き方やしゃべり方を覚える前にくぐもってしまったやつかもしれない。
喉元や舌の付け根の秘筋を、ツイストストレッチで開放してやることで、
言いたかったこと、やりたかったことを思い出すかも知れない。


十体技法へ
その他、各十体には、その十体独自の秘筋遣いがある。
それをからだに蓄積していくことが十体創造の長いプロセスになる。




関連技法 
獣体

秘筋

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