体底呼吸(ボトム呼吸) |
体底呼吸とは、 息を吐くときにからだの底の会陰部の筋肉を引き締めていき、 そこを緩めると同時に息を吸い始める。 そしてすぐさま体底を引き締めていく。 息を吸い始めるときにだけそこを緩める呼吸法です。 次の3段階に分けて習得してください。 ステップ1: 自己観察 1.静かに座り、胸筋を使わずに、下腹部だけで呼吸する。 2.息を吸ったとき、からだのどこがどう動き、 下腹部のどこがどのように膨らんでいるかをよく観察する。 3.胸部と腹部を隔てている横隔膜が引き下げられるとき、 肺が拡張して空気が入ってくること、そして、それに押されて、 下腹部全体が下方に押し下げられていることを、 からだでつかめるようになるまで続ける。 4.同様に、息を吐くとき、からだのどこがどのように動いているかを じっくり観察する。 5.下腹部が縮み、横隔膜が押し上げられることによって 、肺が縮小して空気が押し出されることが、 からだでつかめるようになるまで続ける。 ステップ2: 呼気のとき体底を締める、最初の体底呼吸 1.上で観察した流れを、少し、意識的に増幅する。 息を吐きながら、体底の会陰部の筋肉(肛門の周囲の筋肉)と、 最下部の腹筋(以下、上の二つをさして体底と略す)を緊張させていく。 2.最大限まで息を吐いたら、その瞬間体底部の緊張を解いて緩める。 自然に横隔膜が下がり、肺に空気が流れ込んでくるのを感じる。 3.肺がいっぱいになるまで横隔膜を押し下げ、空気を吸い込んでいく。 4.最大まで吸ったら、息を吐きはじめながら、体底を緊張させていく。 ステップ3: 絶えず体底を締める体底呼吸 1.上と同様だが、息を吐きながら体底を緊張させていき、 最大限まで息を吐いたら、その瞬間だけ、体底の緊張を解き、吸気をはじめる。 2.息を吸い込み始めるや否や、ふたたび体底を緊張させていく。 3.最大限まで吸ったら、息を吐き始める。体底部の緊張は続けていき、 最大限まで吐ききった瞬間だけ、ふたたび体底を緩め息を吸い込む。 4.上の<第二ステージの体底呼吸>との違いをよく把握し、 呼気の開始の瞬間以外は、 いつも体底を緊張させていることに慣れるまで続ける。 自分でもっともよいリズムを見つけていく。 この、技巧的な体底呼吸は、つぎの最小呼吸の基礎となる。 最小呼吸は、異次元の存在や死者のからだになりこむために 欠かせないテクニックであるから、時間をかけて練習すること。 (以下単に体底呼吸というとき、このステージ3の体底呼吸を指す。) また、この体底呼吸をコントロールできるようになると、 それを使って、体底に支えられた 野太い体腔声音を持続的に出せるようになる。 息を吐きながらでも吸いながらでも体腔音声が出るように、 音像流チャンネルを十分に開くためにも、不可欠の呼吸法である。 また、調体法2の小周天八方回しをする上でも、 この体底呼吸が必須のものになる。 このように、随所で必要となる重要な呼吸法であるが、 これに囚われて、いつもいつも体底呼吸をしていなければならないわけではない。踊りにおいては、随時その動きに最も適した呼吸法に 自在に切り替えられるようになることが肝心だ。 体底呼吸から小周天回し、八方ゆらぎへの流れ ステップ1: 自己観察 体底呼吸の第1ステップは、 ただただ自分の呼吸を感じ、観察する。 ボトムはどう動き、腹筋、横隔膜、 胸はどう動いているか。 鼻口のどは何を感じているか。 呼吸を仔細に眺めつつ楽しむ。 ステップ2:体底を締める 体底呼吸の第1ステップでは、 呼気を吐ききるとともに、 体底を締めはじめる。 体底とは、肛門周りの筋肉と、 4つに分かれている腹筋の最下部だ。 そして、それを緩めると同時に 空気が自然に入ってくる。 最初はこれを繰り返す。 ステップ3:小周天、八方小周天に呼吸をまわす 体底呼吸の第3ステージでは、 体底を緩めるとともに、 空気を仙骨から脊髄に沿って送りあげていく。 首、頭、額、目、鼻へ 口に来るとともに呼気をはじめ、 再び体底を締めはじめる。 タオでいう小周天の動きだ。 空気が送られた部位と対話する。 「今日の調子はどうだい?」 固まっていれば膨らまして新鮮な 空気を送る。 やがて、八方小周天に移る。 水平の大時計を床の上に想像する。 自分はその中心にいる。 前が12時、後ろが6時だ。 6時から吸い上げ、12時に吐きおろすのが小周天だ。 それを7時の方向(斜め後ろ)から吸い上げ、 1時に吐き下ろしていく。 順次、8時―2時、9時―3時と一周する。 からだの各部の調子を聴く。 ステップ4:絶えず体底を締め続ける 体底呼吸の第4ステージでは、 息を吸い始めるときだけ 体底をゆるめ、すぐまた締めはじめる。 呼気のときも吸気のときも 体底は締め続けている。 そして、からだの下部から順次 上部に吸った空気を送りあげる。 下腹部、腹部、胸部、上胸部、首、頭へと じょじょに空気を送る。 送る空気とともに内臓の各部の調子を聴く。 ステップ5:体底だけで呼吸する最小呼吸 体底呼吸の第5ステージは、 逆に胴体の各部は動かさず、 体底の開け閉めだけで呼吸する 最小呼吸だ。 これは、衰弱体や死体になりこむ 練習のときの課題となる。 |
★関連技法→小周天八方まわし |
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