April 2012
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サブボディ共振塾ジャーナル
 
赤い神様の中で舞う死者
 2012年4月29日

赤い神様の中で舞う死者

フクシマショック以来、今年の共振塾では、
世界チャンネルが先行して開いた。
例年ならひとつひとつのチャンネルをじっくり開いていき、
サブボディとコーボディもゆっくりと共振パターンを増やしていく。
今年はまったく逆だ。
いきなりサブボディの中に予期せぬコーボディが雪崩れ込む。
まだうまく共振パターンを見につけてない生まれたばかりの
サブブディは激しい困惑の中に叩きこまれた。
かつてない規模で強烈なエッジ・クオリアが
生徒だけではなくわたしをも襲った。
ほうほうのていで未曽有の困難をかいくぐりここまで生き延びてきた。
だが、それもこれも「静かな家」をからだで読むための準備だったのだ。
赤い神様とはわれわれを振り回す無数の背後世界チャンネルの比喩だ。
死者とはその中で無限変容する生命共振クオリアの暗喩だ。
赤い神様の暴風のなかできりきり舞いさせられながら無限変容する死者。
それが舞踏だ。
それを身をもって体験するために今週もサブブディソロの中に
さまざまなコーボディがなだれ込んだ。
何度か繰り返すうち、水中象だの、群れのフラマンだのという
共有コーボディがかなり育ってきた。
これは期末の統合時にだれもが使える共有財産となっていくだろう。
今週からもう一つの非二元世界、
ドリームボディの固有夢劇場に入っていく。




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 サブボディ、見知らぬコーボディ世界に出会う
 
  サブボディ、見知らぬコーボディ世界に出会う 1
 2012年4月22日

サブボディ、見知らぬコーボディ世界に出会う


じょじょにコーボディのつくり方が深化してきた。
ペアになり、Aは自分固有のクオリアを相棒Bに渡す。
相棒Bはそのクオリアで群れの動きを率先して動き出す。
Aは、Bが率先する動きに思い通りの位置で続いて群れの動きに推進する。
つき方によって密集した群れになったり、一列になったり、
広がった群れになるなど、群れの性質を自在に創りだすことができる。
群れの動きは先頭に立つ第一の率先者ではなく、
第二の推進者こそが群れの動きの真の創造者であることを身を持って学ぶ。
この群れの動きのダイナミズムだけはからだでやることによってしか学べない。

各場面で、コーボディとはべつのサブボディがソロを踊る。
サブボディは、見知らぬコーボディの群れに出会い。
その序破急変容世界の中に巻き込まれていく。
真の序破急は世界との共振の中で生まれてくることを体験する。
この日は10人の生徒がサブボディソロを踊り、
そのなかで別の生徒たちがつくるコーボディ世界変容の渦の中に巻き込まれていった。
サブボディは自分のソロ以外の場面ではコーボディの群れとして
ダイナミックな世界変容を生み出していく。
見ていた観客は何が起こっているのかよくわからないまま、
次第に奇妙な展開の中に巻き込まれていった。
さいごの水に入っていくシーンでは見ていた4歳の女の子が
楽器を演奏してからだごと参加していた。
序破急は世界と、その代表者として劇場にやってくる観客とのの共振の中で生まれ、
じょじょに観客を踊りの世界を巻き込んでいくことによって成就する。
頭でこしらえた主観的な序破急などその中で吹っ飛んでしまう。
これこそが生命の舞踏が生まれてくる場所なのだ。
とうとうこの総過程を体験できるようなサブボディ・コーボディ劇場が生まれてきた。
このもっとも豊かな創造の場のなかで生徒たちは創造を練磨しつづける。

この模様は一部、二部のふたつのスライドショーに分けて紹介します。
お楽しみください。



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 2012年4月17日

世界=自己激流劇場


私たちの日常意識は、世界と自己とは別物だと対立的にみなしているが、
それは幻想である。
人間の生命にとっては世界像と自己像は常に共振的に変容流動している。
この生命の生のままの姿をそのまま踊ることができないかと長年探り続けてきたが、
とうとうその原型を見出すことができた。

4月第一週の金曜日、第1グループが目隠しによって
世界混沌劇場になったのを見ていた第二グループの6人は、
それを反面教師として、とてもクリアな激動する世界を共創した。
世界=自己変容劇場がとうとう実現した。
その詳しい仕組みは下記に書いた。
今年はこれをさらに複雑に深化させることで、
各生徒が自分の命にとって必然の深淵世界で踊る
アビス坑道を掘り進めていく見通しがついてきた。



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 2012年4月17日

ハッピーキャンサーコーボディ


世界=自己変容劇場は、ハピーキャンサーメソッドによって
コーボディを展開する技法が基礎になっている。
わたしはこれを30代に癌を始めありとある成人病のおそれに見舞われたとき
癌の増殖法から学んだ。
癌は知っての通り、健康な細胞が大気中や水道水、食物にふくまれている
発がん物質に触れることによってがん細胞に突然変異することによって起こる。
それには何段階もの段階がある。
最初はたった一つの細胞が発がん物質によってがん細胞に変成する。
これはイニシエイターと呼ばれ、じつは私たちのからだでは
日々何十、何百ものがん細胞のイニシエイターが生まれている。
だが、一つだけなら何ら怖くない。
からだじゅうを周回している白血球の仲間の
キラー細胞がそれを見つけ食べてしまうからだ。
通常の状態ならこの免疫機構という生命の叡智によって守られている。
だが、私たちが厄介事や心配:不安:怒りなどに忙殺されて、
交感神経モード(アドレナリンモード)の体になると、免疫機構は停止する。
免疫よりも闘争モードが優先されるのだ。
すると、その隙にイニシエイターのがん細胞の周りに、
プロモーターという第二のがん細胞が増殖を始める。
その増殖の勢いは凄まじく、もはや免疫機構のキラー細胞によっては
その勢いを止められなくなる。
多忙な仕事や関係の不幸に囚われているときに癌になりやすいのは
この機構によっている。

このイニシエイターとプロモーターの仕組みはがんだけではなく
生命共振の普遍的な原理である。
最初たった一つの細胞が何らかのクオリアに共振してある傾向をもつ。
その傾向に周辺の細胞が共振することによってある顕著な傾性が生まれる。
この仕組みに学んだのがハッピーキャンサー・コーボディ技法だ。

幾人かで群れでてんでに動いているとき、
新しいクオリアで動き始めることによってだれもがイニシエイターになりうる。
だが、一人だけの動きにとどまっている限り、ただ無数の異なる動きが乱れている
分子のブラウン運動のようなランダムな状態が続くだけだ。
だが、誰か一人の動きに他の人が共振してその動きに付き従ったとき、
その付き従いがプロモーターの役割を果たす。
さらに第三、第四の追随者が生まれれば大きな群れの動きを生み出すことになる。
プロモーターこそが場の全体のダイナミックな動きを創造していくのだ。
私はこの面白さをいまは亡き、土方巽の奥さん元藤あきこさんのワークショップの
即興の中で偶然見つけた。
二十年近く前のことだ。
それ以来このイニシエイターとプロモーター、そしてそれにつづくフォロワーという
三つの役割をフレキシブルに引き受けることのできる踊り手集団をどう育んでいくかを
長年探求してきた。
だが、西洋人の生徒たちはイニシエイトはいくらでもできるのだkが
フォローが出来ない人が多い。
人の動きに従うなど価値の低いことだと無意識に刷り込まれているのだ。
だからここ数年はあきらめて自由共振に任せていた。
だが、それでは何時まで経っても群れの即興の中にタイナミックな展開が生まれない。
いつまでたってもブラウン運動のままなのだ。
だが、先週画期的な夢を見た。
生徒たちがペアになるという夢だった。
この夢はサブボディさんからのなんの示唆だろうと思いめぐらしていると、
突然、ひとつのサブボディをふたつの分身に分けよという示唆だと気づいた。
生徒が二人づつのペアになる。
そして、互いに相手に自分固有のクオリアを与え合う。
群れの動きの中でサブボディとイニシエイターという役割をになう。
そして、一方が相手から受け取ったクオリアでイニシエイターとなって先導し、
他のペアがそれを増幅するプロモーターとなると、三人の先頭集団が生まれる。
そうなると他の人はその動きに続くだけで新しい群れの動きが生み出される。
最初のサブボディは自分固有のクオリアが群れの動きに成長し世界流に展開する
世界変容の中で自在に踊れることになる。

先週の金曜日はじめてこれを試してみた。

生徒たちのグループ分けは次のようになった。
ジオとアイダ、エレノワとノア、カツとクリスチン。

 Order Initiator  Original qualia of subbody  Subbody 
 1  ジオ  Mummy(ミイラ)   アイダ
 2  エレノワ  Inhibited action(禁じられた動き)  ノア
 3  アイダ  Bloody Spring(血まみれの春)   ジオ
 4  クリスチン  Stuffed Spring (剥製にされた春)  カツ
 5  ノア  Littel girl and Butterfly (少女と蝶)  エレノワ
6  カツ  Red boiling butterfly(赤い茹でられた蝶)   クリスチン

まず、ジオがアイダから受け継いだミイラのクオリアで先導し始めた。
他のペアがそれをプロモートする動きで続いた。
他の二人もそれにフォローし、ミイラの世界が生まれた。
その世界は序破急によって更に変容していき、
そのクオリアの考案者のアイダは、
その世界変容の中で自己像が世界との共振によって変容する
世界=自己変容を踊った。
十分ほどで次のイニシエイターのエレノワが、
禁じられた動きというノアから受け取ったクオリアで次の世界に展開していった。
次々と世界がダイナミックに変わっていく夢の世界のような
世界=自己チャンネルを踊りうる仕組みがとうとう実現した。
サブボディさんの夢の示唆のおかげだ。



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 2012年4月14日

赤い神様」とは何か?


4月第一週、私たちは土方巽の最後のソロの舞踏譜、
「静かな家」の探求に取り掛かった。
もう三年目になるので、これまで以上に一つ一つのセンテンスが含む
深いクオリアを動きの中で体験する方法が見つかってきた。
1週間で進んだのは小見出しも入れてたった次の7行だ。

1 「赤い神様」

 

雨の中で悪事を計画する少女

床の顔に終始する

さけの顔に変質的にこだわる

○はくせいにされた春

○森の巣だ 目の巣だ、板の上に置かれた蛾

○気化した飴職人または武者絵のキリスト



まず、第1節の小見出しになっている「赤い神様」をからだでつかむまでに
三月いっぱいをかけた。
これは日常体にとってはまったく未知の方向も行く先もわからない
生命の非二元かつ多次元共振世界の暗喩だからだ。
そこでは日常世界ではくっきり分かれている自己と世界が混交してひとつになる。
その混沌世界の旅人になるためには、長い準備が必要とされる。
フクシマショックから始まった世界のクオリアによって
自己に関するクオリアが異常に圧迫され、そのなかで自己とは何か
世界とは何か、命とは何かに関するクオリアが
通常の日常世界の安定を喪失し、何かわけのわからないものに
突き動かされ、翻弄されているクオリアを味わう<世界自己混濁体験>が必要だった。
赤い神様とはまさしくその混濁そのものだからだ。
自分ではないわけの分からないなにものかが、自分を突き動かして踊っている。
そのなにものかを土方は「赤い神様」と名づけた。
土方がこの最後のソロを踊るまでには、
7歳で愛する姉が目の前から消え、数年後に死体となって戻ってくるという
彼にとっての最大のトラウマの呪縛力と格闘する37年間が必要だった。
姉が移住した神戸にその年の夏、土方は単身会いに行っている。
姉は圧化粧と豪華な着物に身を包んでいた。

(なぜ、愛する姉は目の前から消えたのか?
誰が姉を私から引き離したのか?
姉はいったい神戸で何をしていたのか?
あの化粧と着物はいったい何を意味するのか?
なぜ姉は死なねばならなかったのか?)

何がいったい私たちの運命を翻弄しているのか?
そういうわけのわからないものに突き動かされているという
土方の生涯のクオリアが「赤い神様」という言葉が暗喩しているものである。

土方はあらゆる年代で無限回自問自答を繰り返し、
無限回姉の夢を見、姉が見たかもしれない夢をたどっただろう。
成人してからは、姉が故郷を離れざるを得なかったのは
第二次世界大戦を遂行する日本国家が、
徴兵した兵隊の性欲を定期的になだめるために設けた慰安婦という戦争政策の
犠牲になったのだと理解することができた。
でもそれで収まるはずがない。
無数の見も知らぬ男たちの性欲が通過して姉のからだは
いったいどんなひどい悪夢に見舞われただろう。
40年に及ぶ姉の命の追体験が、1行目に結晶した。

雨の中で悪事を計画する少女

床の顔に終始する

さけの顔に変質的にこだわる


悪事とは誰かわけのわからぬものに対する殺意の発露である。
復讐しようにも相手は日本国家である。
いったい何ができるというのか。
だが抑えようもなくこみ上げてくる殺意を隠すために
顔は終始のっぺらぼうの床の顔を保たねばならない。
隠そうとしてもさまざまな衝動がさけの顔のようにこみ上げてくる。
からだの輪郭がいつのまにか少女から獣の輪郭に変容してしまっている。
1973年の夏の嵐の中のソロ「少女」の冒頭で土方が踊ったのは、
そういう不可避的な隠すことと見せることの矛盾である。

土方が逢着した最後の踊りのモチーフを理解するには
それぞれが自分の人生の全体もまた何か分けのわからぬものに
規定され強いられ、突き動かされていることを体感としてつかむ必要がある。
それがフクシマショック以来、生徒たちが体験した疾風怒濤のような
一ヶ月だった。

○はくせいにされた春

○森の巣だ 目の巣だ、板の上に置かれた蛾

○気化した飴職人または武者絵のキリスト


続く三行は、土方の姉と土方が体験した姉の見ただろう悪夢の中の風景である。
姉が持っていた暖かいもの、生気にあふれたもの、姉の青春、姉の貞操、
それらすべてが無残にも奪われ、剥製にされた春のなかにはめ込まれている。
その中で目は腐り果て、替わりにからだじゅうの皮膚が目となり
周りのわけのわからぬものが潜む森の巣と共振している。
巣とは土方独自の用語で、森の巣とは無数の森が重層し、混濁一体化して
私達を取り囲んでいる状態、
目の巣とはからだに生えた無数の第三の目を指している。
舞踏譜の別の場所では目の巣から複眼、そして皮膚への参加と深化されていく。
板の上に置かれた蛾とは、そういうごくごく微細な共振で震えている自分であり、
また死んで板戸の上に横たわって運ばれてきた姉の記憶と重なっている。
森の巣と目の巣が空間的な世界=自己像の
多次元かつ非二元共振を表しているとしたら、
次の、飴職人ーキリストー武者絵とは、生命の細胞に内クオリアとして刻まれた
記憶が時間の中でめくるめき変容を遂げるさまを暗示している。
若いころに働いた飴をつくる職場の友人の顔は記憶の中でキリストにも変容し、
武者絵のなかの表情ともだぶってくる。
クオリアの無限変容性をここでは指ししめしている。
夢や想像や妄想の中であらゆるものがあっという間に別のものに変容することを
私たちは毎日体験している。
ただ、意識はその変容を認めると現実的な統覚を失うので
無意識裡に無視しているだけだ。
意識を止めたときにだけその無限変容を受け入れることができる。
土方舞踏はそれを要求しているのだ。

※これからひとつきかふたつきあまり、
共振塾で行っている「静かな家」をからだの体験として体得する
体読の方法を連載します。
あなたの生命の無限の創造性を開く参考にしてください。



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 2012年4月14日

世界=自己混沌劇場

4月コースの第1週の金曜日、生徒たちはこの5週間でであった
サブボディ・コーボディを統合する踊りを創った。

実はこの日生徒を二つの6人グループに分け、
それぞれ世界クオリアと自己クオリアの両方を体験できる
ある複雑な構成を与えていたのだが、第1グループは目隠しで始まったために
ほぼ全員が深い自己催眠のサボボディ状態に入ってしまって
ランダムなサブボディ=コーボディが混濁一体化した世自混沌劇場となった。
わたしはいつも私の指示に忠実に従うよりも、
命に何をしたいかを聞いてその声に従うように言っているので
これはこれでひとつの実験になった。
それぞれのサブボディの赤い神様がかれらを突き動かしたのだ。
次の課題は、こういう非二元混沌世界に入りながら、
なおにすべてのものとの間で起こっている生命共振を
明晰かつ透明に受け入れることのできる透明体になる仕方を学んでいくことだ。
透明さとは、内に50パーセント、外に50パーセント開かれて、
どちらにも拘束されない脳心身状態を指す。
踊っている中でごくまれにこの透明状態になることができる。
だがそれには長い時間がかかる。
ゆっくりご期待ください。



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 2012年4月7日

固有のコーボディ創造


福島原発メルトダウン一周年の日から始まった
怒涛のような最初の一ヶ月が過ぎた。
第四週目の金曜日、生徒たちは一ヶ月の探体で出会った
サブボディを統合するソロと、
固有クオリアの虫の歩行で創ったコーボディへの変成を踊った。
この時期に生徒独自のコーボディをつくることができたのは、
共振塾始まって以来だ。
速度をよしとするわけではないが、フクシマショックから始まった
この一ヶ月の密度の濃さが必然的な生命共振を教えてくれた。

生命は多次元非二元にあらゆるものと共振している。
共振は誰かが引き起こすものでも、
自分が何かと共振しようとしてするものでもない。
どこからともなく起こる生命現象だ。
その共振が舞台に現前しはじめた。

広義でいえばあらゆるものが共振ではあるが、
その中にはいろいろある。

自我が引き起こそうとするのはいつもドミナンス
(自分が優勢になって他を支配しようとする傾向)だ。
その勢いはとびきり強いので、
自我のその傾向を鎮め切ったときはじめて様々な共振パターンが
自然に生まれてくるようになる。
長い間からだの闇に幽閉されていたサブボディは
生まれた当初はまだあらゆるものとうまく共振する方法を知らない。
それをディゾナンス(不共振、あるいは未共振)という。
コーボディは共振するサブボディ、集合的無意識のからだであり、
狭義のリゾナンス(共振)という特性を持っている。
だが、群れのグループとして共振ている中でも
生命はあらゆるものと多次元的に共振する個でもある。
その個としての固有性や創造性を保ったまま豊かな群れになる。
これら、ドミナンスを鎮めることも、
ディゾナンスからリゾナンスへ成長していくことも
リゾナンスの中に豊かな固有性と創造性をもたらしていくことも
すべてひっくるめて生命共振なのだ。

サブボディ・ソロの場合も、コーボディ・グループパートの場合も
生命共振が基本だ。
生徒たちはこれまでの一ヶ月のからだの闇の旅を統合するサブボディを
創ると同時に、幾人かの固有のクオリアをコーボディとしてシェアして、
コーボディを踊った。
生命の群れのからだは、社会的に訓育された集団の創造性や固有性を
制限されたヒューマノイドのような画一的な動きに閉じこもるのではなく、
同じ方向に動いていてもそれぞれの生命が独自に多次元的に共振している
固有性や創造性を保っている。
生命の創造性・固有性・共振性を自在に発揮できる豊かな群れのからだ
になること、これが固有のコーボディ創造である。
生命の豊かさを最大限に発揮できるような共振舞踏劇場を創造すること。

いつももっともよい共振パターンを探し創造していくこと。
うまく共振剃る方法が見つからなければ見つかるまで待つこと。
生命の共振原理をつづめて言えばその一言になる


共振塾も7年目になってはじめて
その本来の課題に取り組めるようになってきた。
毎週末の恒例のサブボディ・コーボディ劇場に毎回
その週にふさわしい固有の呼び名をつけているが、
今週は固有のコーボディ創造という新しい境地を開くことができた。
その中でより多彩なサブボディも生まれてくる。
これは、これからさらに生命の深淵へ降りていくための必須の通過点である。


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 2012年4月4日

固有クオリアの歩行と世界変容

今週は先週末に学んだ土方巽の「虫の歩行」を発展させて
からだをかゆさで動かす虫に代わって、各人固有のクオリアをみつけ、
それを虫の歩行の序破急五段の展開に合わせて変容させていく
応用練習に入った。
土方のテキストの最終行の(意志即虫・物質感)とは、
こういうふうに発展させよという土方からの贈り物なのだ。


「虫の歩行」

1.右手の甲に一匹の虫
2.左首筋からうしろへ降りる二匹目の虫
3.右の内ももから上がってくる三匹目の虫
4.左肩から胸を降りる四匹目の虫
5.五匹目 自分で知覚
6.あっちも こっちもかゆい その場にいられない かゆさに押し出される
7.あごの下 耳のうしろ ひじのうしろ 膝のうしろ ベルトのところ に 
五百匹の虫
8.目のまわり 口のまわり 耳の中 指の間 すべての粘膜に五千匹の虫
9.髪の毛に虫
10.毛穴という毛穴に虫
11.その毛穴から 内臓に虫が喰う 三万匹
12.さらに侵食し 毛穴を通って外に出る虫 身体のまわり 空間を虫が喰う
13.さらに空間の虫を喰う虫
14.その状態に虫が喰う
15.(樹木に五億匹の虫――中身がなくなる)
16.ご臨終です 
(意志即虫/物質感)



各生徒が見つけたクオリアは次のようなものだ。
虫の代わりにからだを動かしてくるクオリアを固有クオリア、
それが世界を侵食して世界変容を起こすクオリアを世界変容クオリアと
ここでは名付けることにする。

名前  固有クオリア  世界変容クオリア 
 アクシ ミルク  蛇の赤ちゃん
 ケスリ 少女  花の嵐 
ジオ  気が狂った母親  赤ん坊工場 
 ジャビエール 熱帯の雲  戦場の軍馬 
 カツ  グレートマザーの性器 金色の光 
 クリスチン 骨の折れた老婆  祈る人の風 
アイダ   カマキリ  庭
ノア  妄想のカオス  調体 
パン  障害者の乞食  疑い 
ピラー  水面下の象  マリアの肉 
 ロジャー カビ  赤 

今日は上から五人の固有クオリアと、世界クオリアを全員でシェアした。

まず、アクシは全員が胞衣の秘膜距離に接して寝転ぶ姿勢から、
ミルクが体の各部にたらされてじょじょにからだに染み込み、
やがてからだ全体がミルク状の液体に変容し、
さらにそれが小さな蛇に変容してからだから這い出してくるという
序破急をガイドした。
ガイドする声はそのままその人固有の舞踏譜のつくり方を
学ぶことになり、新入生には大変勉強になったことと思う。
しかもそれに全員で従うだけで世界全体がどんどん変わっていく
コーボディマジックを体験できる。

ケスリは、全員が背を内に向けて輪になった配置から、
少女がゆらぎだし、じょじょに花の荒らしに移行し、
さいごはゆっくりと雲になって広がっていくという
メルヘンチックな世界を創った。

ジオは全員が灰柱の歩行の輪になり、
輪の真ん中にいる赤ん坊を欲しがる狂った母親の欲望を
顔にあらわれ、さらにからだ全体に広がって、全員が赤ん坊を取り合う
争いに発展し、その極点で赤ん坊を製造する工場のラインとなり、
一人ひとりが赤ん坊を製造する工程を率先し全員がそれにならうという
奇妙な赤ん坊工場を発明した。
なかなか異様な光景が現出した。

ジャビエールは、熱帯の雲のクオリアがじょじょにからだの一部から
全体に広がり、それが戦場の軍馬となって荒れ狂う世界を創出した。

圧巻はカツのグレートマザーの性器だった。
虫の歩行の序破急に習って、右手のひらが大母の性器になる。
大母の性器はすべてを喰いそして生み出す生死の根源だ。
その性器が首や内腿から体全体にひろがり、
世界を食い尽くしては生み出す群れに変容していった。
そしてその極限でゴールデンライトに変化する。

これまでも固有クオリアの歩行は何度もやってきたが
今年生徒が生み出す世界は頭抜けている。
そのまま劇場出公演してもいいほどの面白い世界が
次から次へと現れては変容していった。

今日の五人の世界共創の刺激を受けて、
明日は新入生がどこまでやるか、
だんだん面白いこといなってきた。


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 2012年4月4日

林の序破急

ジオ(韓国)とカツD(日本ーUSA)は、ヒマラヤ山腹の林の中に序破急を求めた。
ジオは林に捨てられていたボロ布をまとい、
カツは一本の木を上下するシンプルな序破急を踊った。
ジオの15分ほどの歩行の中には10人くらいの違う自分が出てきた。
急峻な崖などで踊れば地形や底で体験する特殊な重力に囚われて
出てくるサブボディも単色になりやすいが平地の場合は
地形と布置が半々に共振して微細だがより多彩な序破急を踊ることができる。
それと冬場のヒマラヤでの調体・探体から休みなく探り続けているので
多彩なサブボディが次から次へと出てくる
フレキシブルなからだがかなり出来上がっている。
こうして様々な地形とからだの闇の布置が共振して生まれる序破急のなかで
生徒たちは多彩なサブボディを一つ一つ拾い集め、
からだの闇の全域を旅するに必要な十体から二十体の
固有のサブボディ、コーボディをからだに刻み込んでいく。
これから学ぶ静かな家の多彩な舞踏技法を身につけながら、
更に固有の深淵へいたる坑道を掘る。
ここまでの三週間はいわばこれから始まる本格的な探求のための
いわば準備運動のようなものだったのだ。
三ヶ月後にそれを統合して一時間ほどのソロを創り上げたときには
からだの闇のほぼ全域を旅する踊りが出来上がる。
終わりはない。
全部歩きまわったと思った瞬間にもっと深い闇が口を開く。
そこでは何が起こるか誰にもわからない。
何が起ころうと対応できる生命の共振力を開くことがもっとも
重要な鍛錬なのだ。


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 2012年4月3日

世界という謎を踊る

ケスリ(グアテマラ-カナダ)とノア(USA)は、急峻な崖で踊った。
何度も登ろうとしては落ち、トライしては失敗するという
あたかもギリシャ神話のシジフォスのように、あくことなく挑み続けた。
シジフォスの神話
おそらく彼らはこのとき彼らの命がぶつかった世界という壁、
あるいは世界という謎に直面していたのだ。
なぜアタックしなければならないのかもわからない。
だがなぜかそれをやり続けなければならないのだ。
命にとって世界はしばしばこのように私たちを押しつぶす
強大な壁や不条理な謎のように立ち現れる。
それがいかに厳しく辛くとも、これは踊るに値する謎である。
世界チャンネルは生命の深淵に触れる踊りの序破急の急となりうる。
この壁に挑むためにはわたしたちはもっと深くからだの闇に潜り、
さらなる変幻能力を身につける必要がある。
世界がこのように謎をかけてくるとすれば、
それに打ち勝つもっと深い秘密となって立ち向かうしかない。
真正面から立ち向かっても駄目ならば、
ひょうきんなトリックスターや妖精や粘菌に身を変えて挑む。
それでもかなわなければもっと変幻自在な死者やリゾームになる。
彼らの踊りは続くだろう。
一つの壁を乗り越える方法が見つかった瞬間、
世界はもっと巨大な山として、あるいは目もくらむ深淵として立ち現れてくるからだ。
だが、こここそ生きるに値する生、生命という謎に真向かうことのできる場所なのだ。



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 3 April, 2012

A wall as the world

Gessuri (Guatemala-Canada) and Noah (USA) danced on a cliff.
Tried to attack and fail, tried to crimb and fall as if the Greek myth of Sisyphus.
Probably they encountered tjeir own qualia of the world.
For Life, sometimes the world is felt as a steep wall to press us or bind us. It is very necessary for Life to dance it, even it is so 
hard and unconfortable.
We need to travel in the darkness of body to transform various subbodies and cobodies for overcoming this edge qualia. It will take long time, but it is worth to dance untill Life will invent a novel way of resonance to solve it.



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 2012年4月2日

巣穴への出入りの序破急

ジャビエール(アルゼンチン)、クリスチン(オランダ)、パン(ギリシャ)は
それぞれお気に入りの巣穴を見つけた。
生命には厳しい外界から非難する安全な隠れ家が必要だ。
おそらく彼らのサブボディは格好のそれを見つけたのだ。
そこへの出入りを工夫するだけで無数の序破急が生まれる。
それはボトムボディとも関連している。
ボトムへの出入りもまた無数にある。
もともと多次元世界に棲むサブボディは、出入り口を多数持つリゾームである。
見つけた巣穴への出入りの序破急を探るだけで、面白い序破急を見つけながら
自分が単に自我や自己であるだけではなく、無限の変容力を持った
リゾームであることがわかってくる。
人間からリゾームへ、その長い旅が始まったのだ。

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 2012年4月1日

ヒマラヤに序破急を学ぶ

今年の第3週目の週末、わたしたちは共振塾の山向こうのカロッタというサンクチャリを訪れた。
ダラムサラ周辺のヒマラヤの主峰ムーンピークを目の当たりにする絶景の地だ。
小さなヒンドゥ寺院があり、神に生贄として捧げる山羊の首を落とす聖域には
まだ真新しい血が滴っていた。
10人の生徒たちはまず午前中あたりを歩きまわり、お気に入りの場所を見つけた。
そこでヒマラヤの岩たちの長い旅、かつて中生代にはインドは南極近くに位置していた。
そのころ栄えたアンモナイトの化石がヒマラヤのあちこちで出土する。
長い旅を経て古生代中生代の生き物が石に転形し、一年間に1センチの速度でユーラシアプレートとぶつかり押し上げていく。それがヒマラヤとなったのだ。
多くの巨石は最終氷河期の終わりにヒマラヤの巨大な氷湖が決壊し
土石流となって流れ落ちたものだ。
かれらの長い時間と共振し心身を鎮め、
調体をしながらこの怒涛のように過ぎた三週間でであった
サブボディ、コーボディを思い出した。
午後からは、それぞれの場所に立って命に何をしたいかを問う。
どう動き出したいか、どちらの方向に進むか、
するとどの方向であれヒマラヤの急峻な地形が自ずから固有の序破急に導いてくれる。
正確に言えば序破急とは人間が考えだすものではなく、
命と地球の間の共振から自ずから生まれるものだ。
物理的な地形とからだの闇の布置が共振し、ひとつになるとき
踊りの序破急として結晶する。
生徒たちはそれをからだで学んだはずだ。
アクシは山の頂点に立ってムーンピークに真向かい、そこからじょじょに
まるで山に誘われるように急峻な傾斜にからだを投げ出していった。
ロジャーとアイダはそれぞれ気になる巨石に出会い、
そのまわりで固有の序破急を見つけた。
それぞれの踊りが多彩だったのでいくつかのスライドショーに
分割してアップロードすることになった。
毎日日替わりで紹介していくので、ゆっくりお楽しみください。



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