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第5章 共生態としての生命



人間のからだは何十兆という細胞からなる。
私たちは自分がひとつの命だと考えているが、
じつは一つ一つの細胞もまたひとつひとつの命をもった生命体だ。
これらの細胞たちが同期共振してひとつの命となっている。
われわれは何十兆もの細胞の共生共振態なのだ。

ひとつひとつの細胞は、
単細胞生物のようにそれぞれが生命クオリアを咸じている
(細胞にはまだこころなどないから感から心を取ってこう書いておく。
世阿弥に倣った表記だ。世阿弥は本当に深いクオリアは心などではなく、人間存在のもっと深いところで響いていることを知っていた)。

事実、白血球のT型細胞は
アメーバそっくりの単細胞生物の形をしているし、
精子や卵子もまたれっきとした単細胞生物だ。
皮膚や筋肉や骨や脳の細胞も、同期共振して連結しているが、
それぞれ別個の単細胞生物としての寿命をもっている。
一つ一つ生まれ、一つ一つ死んでいく。

呼吸には肺を使って外界の空気を取り入れる外呼吸と、
取り入れた空気のなかの酸素を
血液が各細胞に送り届ける内呼吸がある。

呼吸するときこの内呼吸を感じてみる。
からだの各部の細胞が新しい酸素を得たときどう咸じているかを想像しつつ、
実際のからだの中で起こっている微細な体感クオリアの変化に、
それを探ってみる。

長年これに耳を澄ましていると、
細胞が新しい酸素を得、老廃物を吐き出した瞬間、
なんだか喜んでいることが分かってくる。
からだの各部からえもいわれぬ快感が感じられるのだ。
わたしはこれを甘露流と呼んでいる。
これが感じられるようになると、
サブボディモードに入ったひとつの指標になる。

生物学的に何が起こっているかを推測すると、
細胞が新らしい酸素を得たとき、
同時になにか満足をあらわす情報伝達物質を出しているようだ。
単細胞ではなく、
いくつかの細胞が同期協力して出すのかも知れない。
ともあれ、その情報伝達物質が血流や神経から脳に伝わると、
その物質はニューロン細胞に、
βエンドルフィンなどの快感物質を放出する刺激を与える。
その結果脳内にβエンドルフィンなどの快感物質があふれて、
これがサブボディモードに入ったときの甘露流として感知されるようだ。
以上はあくまでも私の推測だが、
多かれ少なかれこの手のことが起こっているはずだ。
そのうち誰かが証明するだろう。

ともあれ、ひとつひとつの細胞を、
もっと個別の生命体として捉える視点が必要だ。
それら無数の細胞の共振共生態としての生命を捉えることによって、
これまで気づかなかった多くのことが明らかになってくる。

たとえば、両掌を2,3センチの距離に近づけて、
静かに聴き入る。
するとだれでも両方の手がなにかを感じあって
ざわめいているのに気づくはずだ。
日常意識では通り過ぎていることだが、
静かに聴きこめば誰にもすぐ分かるほどの明確さでこれが感じられる。

このときいったい何が起こっているのか。
その昔、インドネシアでこの事実に導いてくれた桂勘さんは、
気を感じるといった。
私は長い間、気というものがなんだかうまくつかめなかったので、
この言葉を使うことを自分に禁じてきた。
だが、じっさいに掌はなにかをびんびん感じている。
これはいったい何なのか? 
10年経った今になってようやく納得のいく説明ができるようになった。

掌の細胞同士が共振しあって喜んでいるのだ。
生きた細胞は、f分の一ゆらぎの波動で、
熱や、電気信号などで測ることのできる
生体信号を外界に発している。
これは、ひも理論からみれば、
細胞を構成しているひもの共振パターンが、
f分の一ゆらぎの波動を持っていることを意味する。
電気信号や熱の波動も、
もとはといえば振動するひもの共振パターンの現われである。

生命は、ひもの特定の共振パターンが
絶えず自己を生み出し続ける自己創出的な
連続したループを完成したときに発生した。
それが、物質を生起させる粗大な4次元時空では、
自己の構成物質を自己産出する
自己創出的な物質的ループを生み出した。
だが、この物質の連関だけが生命を生んだのではない。

粗大4次元には現われない、
微細な7次元に折り畳まれたひもの振動が、
やはり自己創出的に自己を維持していく
生命クオリアのループを形成したときに、
生命は始めて発生したのだ。

この微細次元における自己創出的な生命クオリアの発生と、
粗大次元における自己創出的な物質産出のループが
一個二重に成立してはじめて生命となったのだ。
現在までの科学者は、生命の発生をめぐって、
物質の自己制作的なループのみを解明しようとしてきたが、
それだけでは生命の本質を捉えることはできない。
どこまでいっても物質のサイクルそれ自体の中には
生命クオリアを発生させる場所などないからだ。

生命は、クオリアも物質をも生み出すひもの共振パターンの
変化の中に始めてその発生の場所を見出すことができる。
科学的にそれが立証されるのは何百年も後のことになるだろう。
だが、科学的に立証されないと信じないという囚われこそが
今の人間の自由を束縛する最大の囚われとなっている。
近代の科学的知性の囚われなぞに囚われることなく、
何千年も前に、すでに老子や荘子は痛快にそのことを予言している。

老子では、
「物あり混成す。天地に先立ちて生ず。
……以って天下の母となすべし。
之に字して道という」(第25章)

荘子では
「天地に先立ちて生じるもの有るも、そは物ならんや。
物を物としてあらしむるものは、
物にあらざるなり」(荘子外扁知北遊扁)という。

とりわけ荘子の、
「物を物としてあらしむるものは、物にあらざるなり」
という指摘がまさに現代先端のひも概念を
ぴったり言いあてているのに驚かされる。
ひもはその共振パターンの変化によって
この宇宙のあらゆる質量やエネルギーを生み出す。
ひもそのものは物質ではない。
だから、物質をも生命をも生み出すことができる。
荘子が言い当てた「物をものとしてあらしむるもの」の根源に、
ようやく2500年たった後の人類がたどりつくことができたのだ。乾杯!

今日のひも理論を知ることができるわたしたちは、
ただ、想像力を働かせばいい。
ひもが、物質をも生命をも生み出している
ミクロの現場を想像すること。
すると、ビッグバン以来粗大に拡大した
4次元時空でのひも共振パターンが
今日の物質やエネルギーを生み出したならば、
まだその根拠が発見されていない生命の発生現場は、
未知の微細空間であったにちがいない。
微細な次元に折り畳まれたままの7次元空間に、
生命発生の秘密が存するだろうと想像することは、
理の当然だということに気がつくはずだ。

わたしのこの生命論は、
ただただひも理論と古代アジアの思想が接する裂け目に、
想像力を極限まで羽ばたかせようという試みだ。

ただ、私の行為は観念的な論理だけで展開しているのではない。
つねにわたしのからだが捉えたことを、
生徒のからだにも伝えることができるかどうかという
実践的な現場で検証しつづけている。

今月2006年のサブボディ共振塾ヒマラヤの授業は、
生体共振をどこまで具体的に感じることができるかを、
生徒のからだに問うことを主眼として展開されている。

具体的には、つぎのような手順で進めていく。

1.ゆらぎ瞑想などによって、
十分日常意識を静めた後、
自分の両手を2,3センチの距離に近づける。
両手の間に何が起こっているかに耳を澄ます。

2.じつにさまざまな微細な体感クオリアを感じることができる。
まずは温かさのゆらぎを感じとるだろう。
そして、そのゆらぎがいかにも生きているもの
という感じを与えることにもきづくだろう。

3.よくよく耳を澄ましていると、
ざわざわというざわめきが聴こえだす。
両手の細胞がなにやらそれぞれ別個に咸じて、
何らかの感じを隣接した細胞に送り、
それがうねりのようなざわめきとなっているようだ。
生きた細胞が近くにある別の生体を感知したとき、
なんらかのシグナルを発していると考えられる。
そのシグナルは共振しあって、
ざわざわと、いつも生体特有のf分の一ゆらぎにゆらいでいる。

4.わたしたちの脳は、
筋肉や内臓器官などの個別細胞から放出される
情報伝達物質や神経電気信号の形をとって発せられるシグナルを、
血流や神経からの信号を統合して受け取っている。
情報伝達物質といい電気信号といい、
もともと、細胞内のひもの共振パターンが発した
微細次元でのクオリア共振パターンが、
たまたま粗大次元で化学物質に乗っかって運ばれるか、
電気信号の変化を媒体にして運ばれるかは、
相対的なものだ。
その証拠にニューロンとニューロンのつなぎ目のシナプスでは、
情報伝達物質と電気信号のシグナル変換が
いとも簡単に行われている。
信号を伝える粗大次元での物質またはエネルギーの媒体が、
化学物質であれ、電位変化であれ、
微細界でのクオリアを生んでいるひもの共振パターンは
自在に乗り換えて共振伝達されていくのだ。

5.掌を、自分の手から、ほかの部位に移し、
生体共振を感じる。
部位が変わると、感じられるクオリアもわずかに異なる。

6.さらに、掌をほかの人のからだに2,3センチの距離で近づけ、
なにを感じるか試してみる。
やはりおなじように、
生体特有の生きている感じをうけとることができるはずだ。
そしてなにやら、自分の細胞と相手のからだの細胞が生体共振を起こし、
細胞がそれを喜んで活性化していく感じも。

(これに関するくわしい授業の模様は、
2006年7月の、「共振塾ジャーナル」にご注目ください。
第一週目の体験から得た気づきについて、
ルーマニアのビンドゥーが文章に記してくれた。)

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