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第3章 生命の発生現場



●生命とひも共振

生命がこの地球上に発生した現場を、ひも理論を使って読み解いてみよう。

ひも理論によれば、この宇宙のあらゆる質量やエネルギーは、
ひも共振パターンの変化によって生じるという。
ひも自体は物質でも非物質でもない。
いわばそれらが分化する以前の根源的ななにものかだ。

わたしは、私たちが感じているクオリアもまた、
ひも共振パターンの変化から生じたのではないかと考える。
これをひも=クオリア仮説と呼ぶ。
クオリアは物質ではないが、実在する。
生命も物質ではないが実在する。
これら物質ではないが実在しているものもまた、
ひも共振パターンの変化から生じたと見るほうが
宇宙のすべてをすっきりと理解できる。
生命やクオリアが、物質とはまた別の起源を持つと考えると、
神やその他の造物主を想定せざるを得なくなる。
わたしはそれは人類が未熟だったころの想像力の狭さだと咸じる。
自分の姿に似せて、造物主の像を創造しているからだ。
だが、それは少し考えるとおかいしことに気がつく。
では、その人間の姿に似た神を造ったのは誰なのか、
という疑問が延々と続いてしまうことを禁じえないからである。
造物主の造物主、そのまた造物主……?

誰かが作ったのではない。
宇宙は共振するひもからなる。
生命もまたひも共振から生まれた。
クオリアもひも共振の賜物だ。
そう考えるとはじめてすっきりすべてのなぞが解けるのだ。

ひも理論によれば、
宇宙は現在の私たちが知るような粗大に膨張した4次元の時空のほかに、
膨張することなく原初のプランク長さ
(10のマイナス33乗という最小の距離)の空間に
折りたたまれたままの7つの微細な次元が存在し、
ひもはその11次元の時空で振動しているという。
この微細な7次元に、非物質のクオリアや、
それを利用して存在し始めた生命の根拠があると考えることができる。

わたしは、物質的な身体を持っている生命体が、
非物質の心を持つことができているのは、
どういう仕組みによるのかという疑問から出発した。
一生をかけてこのなぞを解きたいと思っている。
そして、少しずつなぞは解けてきたのである。

前置きが長くなった。

40億年前の地球上のどこかでの、生命の発生現場を、
ひも理論を使って次のように透視してみる。

●生命の発生現場

生命が発生した瞬間、
ひも共振の次元ではいったいどういうことが起こったのか。
11次元の時空には、ひも共振パターンが無数に存在する。
そのうち、自己増殖できるひも共振パターンの組み合わせが、
突如偶然に発生した。

詳しく述べれば、
無数のバリエーションがあるひも共振パターンの組み合わせのうち、
自己の構成素を自分で産出して増殖していける
ひも共振パターンの組み合わせ
が突然生まれた。

生まれたひも共振パターンの一連の組み合わせは、
その共振パターンを持続していけるひも共振パターンを
何らかの仕組みによってかぎ分け、
その共振パターンのほうへ身を投じていくことによって、
その自己増殖するひも共振パターンを
持続させていくようになった。

――それが40億年前の生命の発生現場で、
ひも共振に起こったことだ。

この生命発生現場で生命が得た何らかの仕組みこそ、
生命クオリアを咸じる力だった。

生命は、自らと親和し、
さらに増殖を重ねていけるひも共振パターンの組み合わせを、
そうでないものからより分けることが必要だった。
生命が自己を維持していけるとき、
生命を構成しているひも共振パターンの組み合わせは、
自己増殖していけるひも共振パターンの組み合わせに出会った場合、
何か手ごたえを受け取ったのだ。
その手ごたえを、
自己のひも共振パターンの組み合わせのなかに刻み込んだ。
その刻み込まれた共振パターンの組み合わせを、
生命クオリアと呼ぶ。

●クオリアは生命クオリアとして発生した

生命とクオリアの発生は一個二重の出来事である。

クオリアは生命クオリアとして発生した。
生命は、この生命クオリアを咸知する力を得ることによって
始めて、自らを維持していくことができ始めた。
生命発生とクオリア発生は同時の、
一個二重の出来事なのだ。

これは、生命がなくなるとき、
同時にクオリアを咸知する力もなくなることを見ればよく分かるはずだ。
生命が生きている限り、
生命クオリアを咸じ、
それを指針に、つねに生きるほうへと身を投げかけていく。
これが生命の本質だ。
生への志向なしに生命はない。

もう一度いう。
クオリアは生命クオリアとして発生した。
発生した生命は、あらゆる共振パターンのうち、
生命に関わり役立つ共振パターンのクオリアを咸知し、
そのほうへ身を投げ出していった。

発生した生命は地球上のあらゆる元素や分子と出遭った。

生命の発生説はさまざまに分かれている。
海辺の生命スープ説、熱水鉱床説、宇宙起源説、……

生命発生説のうち、今日有力化しつつある熱水鉱床説に従えば、
原始細胞が生まれたのはこれまで思い描かれていたような
原始地球の海辺の生命スープではなく、
地殻から高温の熱水が吹き出る、
煉獄のような高温高圧の環境だったことになる。
そこでは高温と、鉄や硫黄などの分子が、
原始生命にとって、
ひもの共振パターンを見出した数少ない共振相手だったことになる。

意外に感じられるかも知れないが、
生命40億年の歴史のうちには、
巨大などんでん返しが何回もあった。

たとえば、そのころの生命にとって
酸素は余計なものであるばかりか、
致死的な猛毒成分であった。
彼らは高度高熱性嫌気性細菌として今日も生存を保っている。

それがある日、ある細菌によって
大敵の酸素とも共振パターンを共有して
うまくやっていク方法が発明された。
アルファプロテオバクテリアだ。
かれらは呼吸の創発者として
生命史に永遠に名を残すことになった。

かれらは、やがて真核生物に取り込まれ、
ミトコンドリアとして細胞内共生を始めることになる。
それによって真核生物は細胞呼吸の能力を持つことになる。

呼吸の発明と並ぶ、もうひとつの特筆すべき発明は、
さんさんと降り注ぐ太陽光のひも共振パターンとうまく共振して、
自らの構成素である炭水化物を合成することに成功した
シアノバクテリアに起こった創発だ。

これによって、それまでほそぼそと身の回りから
栄養物を取り入れてきた従属栄養という生存方法から、
一挙に自分自身で光合成によって
自らの構成素を自分で産出できる独立栄養という
画期的な生存方法が生まれた。

こののちシアノバクテリアもまた、
葉緑体として真核生物に取り込まれ、
細胞内共生の道を歩みだす。
藻類や高等植物の起源となった。

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数億年前の地球上はこの新種の生命体の大増殖時代であった。
海という海を藍藻や珪藻の仲間が覆い、
酸素をどんどん排出していった。
そのおかげで今日のような窒素4に対し、
酸素1という比率の大気が出来上がった。
これが後に動物型生命を支えることになる。

●微細な原生クオリアを聴く

クオリアの利用は動物型生命で爆発する。
初期の原始細胞は原形質膜を通じて、
この地球上で出会うあらゆるもののクオリアを咸じていた。

あらゆる分子の味をひも共振パターンの微妙な違いとして咸知し、
生きるために有利なクオリアかどうかを選別していたのだ。
原始細胞は、直接あらゆるクオリアのひも共振を咸知し、
選別する力を備えていたに違いない。

この能力が今日われわれの脳神経細胞
ニューロンの力となって残っている。
ニューロンは、ひとつひとつが脳のように判断し
行動を決定する力を持つ。
同時にからだ全体に情報をいきわたらせて
バランスを取る機能も担う。

現在の私たちのからだの中で、
最も原始細胞に近い働きを残しているのは、
血液成分のわずかな変化をとらえる化学受容性ニューロンである。

あまり知られていないが、
大動脈や頚動脈の壁にへばりつく
大動脈小体や頚動脈小体にある
血液成分監視ニューロンは、
刻々と変化する血液成分中の
水素イオン濃度(pH)、酸素ガス、炭酸、グルコースなど
化学成分の微小変化を捉えている。

これらの働きで、体全体の恒常性が保たれている。
暗い気分で物思いにふけると呼吸が浅く回数も減る。
そのため血液中の酸素量は不足気味になり、
炭酸の蓄積とともに血液のpHが酸性に傾く。
このようなとき、頚動脈小体から舌咽神経を介して
脳に伝えられた神経信号は延髄の呼吸中枢を刺激して
無意識にため息という形での深呼吸をうながす。

視床下部ニューロンも大事な監視装置だ。
脳循環血液中の水分やグルコース量の変動をキャッチし、
渇きや空腹、あるいは満腹感をもたらす。
血液成分中の老廃物の増量を捉えれば疲労感となり、
性ホルモンの増量を捉えれば性的欲望感が生じることになる。

性ホルモンにも何種類もあり、
肌を触れ合いたい咸じをもたらすオキシトシンが出てくるときもあれば、
単に射精したいテストステロンが旺盛になるときもある。
緊密な愛情を交わしたくなるには、
そのほかのPEA(ファニールエチルアミン)や
エストロゲンなどの性愛ホルモン、
ドーパミンなど快感をもとめる行動をうながすホルモンが
バランスよく出てくる必要がある。

(解離性の人格障害をはじめ、
トラウマ性の障害が起こったときには、
状態依存な記憶・学習・行動によって強く規定された
それぞれの人格状態に応じて
からだのホルモンバランスが一変するため、
ある人格はセックス好きだが、
ある人格はセックスなど見向きもしない、
ある状態のときは妄想とオナニーにばかりふける
という変動が起こる。

性ばかりではなく対人関係に対する態度や
人生態度も根本的に変わってしまう。
私は自分のからだに起こるこの
わけの分からなかった変化のすべてを
解き明かしたいがためにこの生命論の探求を必要としている。
とっぴな解離性に関する記述が出てきたのは
そのためです。)

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