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第2章 生命の特性とはなにか



●物質と非物質の両方を生きる

どうして、物質的身体をもつ生命体が、
非物質のクオリアを咸知し、
それを利用することが可能なのかを
ひも理論と共振しながら原理的に考える。

ひも理論によれば、この宇宙のすべての質量やエネルギーは、
微細な7次元を含む11次元で振動するひも
(別名、超ひも、スーパーストリング)
の共振パターンの変化によって生み出されている。

7つの微細な次元は、
わたしたちの日常の目には見えない極小の空間に折りたたまれている。

では、まったくわれわれはその微細な次元に触れることはできないのか
というと、そうではない。

生命体とは、宇宙で唯一、この物質やエネルギーが生成される粗大次元と、
非物質的な生命やクオリアが生成される微細次元の両者を
行き来することのできる存在である。
これが生命だけが持つ特性なのだ。

わたしたち生命体は、みなクオリアを感じている。
言葉として意識される以前に、
からだの奥で感じられているさまざまなものの
質感・体感・実感をクオリアという。
そのクオリアは物質ではないが実在する。
それは、粗大に拡大した4次元時空の物質や
エネルギーとはまた違った次元に存在するものだ。
粗大4次元でないとすると、
それは見えない微細次元で振動しているひもの共振パターンによって
生み出されていると考えるほかない。

だが、粗大4次元に物質的身体をもって存在する私たち生命体が、
なぜ、微細界のクオリアを感じ、
それを使って思考することができるのか。
いったいどうしてそんなことが可能になるのか。

●生命の特性

生命体はなんらかの仕組みによって
物質やエネルギーが生成する粗大な
4次元と
クオリアが生成する微細次元のどちらをも行き来して、
クオリアを駆使して生命を維持することができるようになった存在である。

生命だけが、クオリアを使うことができる。
それが宇宙において生命だけが持つ特性である。

生命以外のものはこの特性を持たない。
これまで生命に対して与えられてきた定義の数々は、
この特性を組み入れて修正される必要がある。
おそらくこの特性こそが生命の本質なのである。

生命の特性としてあげた、
粗大次元の物質・エネルギーの世界と、
微細次元のクオリアの世界の両方を行き来することのできる力は、
生命を特性づけるおおきなエポックとなるであろう。
少し考えれば誰でも思いつきそうな当たり前のことだが、
不思議なことに今まで誰も予言しなかった。

それは、これまでの人類が多かれ少なかれ、
時代社会の狭い固定観念に囚われてきたからである。
一方は科学に囚われ、
他方の人は伝統的宗教的な観念に囚われてきた。
どちらからも同時に解放されたときに
私たちは真に透明な知を持つことができる。

現代の知識人たちの多くはまだ気づいていないことだが、
言語意識の下部では、
クオリア流動を使った思考が行われている。
クオリアとは物事の質感だ。

クオリアを使った思考の仕組みは、
言語を使った意識の思考のやり方とは
ぜんぜん違った方法で行われている。

クオリアは、それを捉えるためには、
日常の粗大な意識や五感をすべて鎮め、
静まり返った状態でとても微細なゆらぎを捉える
特別な心身状態にならなければない。

からだの闇の下意識では、
日常体の五感や意識に届けられる
八覚各チャンネルのクオリア以外に、
五感以外の微細なクオリア共振が起こっている。
下意識の思考は、
微細覚によって、
このクオリア共振の具合を聴き分けていくやり方を取る。
S覚サーチと名づけた。
SはSubtle sense(微細覚)の略だ。
下意識はこの
S覚サーチを使って、
Googleサーチのように、
どこかの未知の情報空間から、
見事に目当ての回答を探し出してくる。

全宇宙のひもはすべてつながり、
百数十億年も共振パターンを維持している。
宇宙のどこかで起こった出来事は、
共振パターンの変化として、時空を超えて、
あらゆるひもに伝わる。
このひも共振の海の中から、
生命は自分に必要なクオリアを探し出すことができる。

長年そのありさまがどうなっているのか探ってきた。
その結果分かったことは、
S覚はそのとき課題となっている問題をめぐる、
ひとつのクオリアの共振パターンを自ら保ちながら、
ありとある他のクオリア共振パターンとの共振具合を
次から次へとしらみつぶしに当たっていく。
というより、共振は自他同時に起こるものだから、
起こっている共振の中から、
なにか当たりのある方へ、
身を投げ出していくのだ。
このクオリア自らが生き続けるのに有利な共振のほうへ、
<身を投げ出していく>ということができたのが生命の特性だ。

生命は生き続けるのに有利なクオリア共振のほうへ、
本能的に身を投げ出していこうとする。
最初の原初生命を生んだほんのささいな志向性。
これが生命の本質だ。
このクオリア共振の志向性がなければ
生命は生まれることも、
自らを維持していくこともなかった。

やがて、生命は、今日の単細胞生物や
粘菌に見られるような原形質流動そのものを認知するクオリア覚
――それは人体内でも血液や体液中の情報伝達物質流の仕組みとして
今日にも続いている――や、
電気信号によってより高速に伝達する
原始ニューロンによる神経システム、
そして、電気信号とシナプスにおける情報伝達物質流による伝達を
たくみに組合せた高度な神経システムにまで進化してきた。

だが、その進化は、
最初に生じた生命の志向性に比べれば、
おまけのようなものだ。

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