| 第2章 クオリアの共振性 |
●クオリアは共振している青なら青のクオリア(質感)は、 空の青から海の青へ、 無限の諧調によってつながっている。 夕方は、空の青に夕日の赤がにじみこみ、 青のクオリアと赤のクオリアの間を 無数の諧調を持つすみれ色や紫のクオリアが満たす。 すみれ色の空は、 山のスミレやリンドウの色と共振によってつながっていく。 その共振は私たちが意識的に連想するよりすばやく、 クオリア自体が自動的に行っている。 クオリアはいつも共振によって 流動変容しているのだ。 意識的な連想は、 クオリア自体の自動的共振の後を 0.5秒遅れで追いかけているだけだ。 これは、有名なリベットの実験によって 証明されている(リベット1979)。 (もっとくわしく知りたい人は トール・ノーレットダンダーシュの『ユーザー イルージョン』や、 リタ・カーターの『脳と意識の地形図』)などをご覧ください)。 今日のテーマは、共振だ。 クオリアの特性で最も重要なのが、 その共振性なのだが、 これについて書く前に、すこしだけ 宇宙物理学のひも理論と、 生命、そしてクオリアを結ぶ 大きな見通しを提出しておきたい。 ヒマラヤでからだの闇に潜り そこで起こることを ただ丹念に追っているときに このつながりは見えてきた。 ひも理論(超ひも理論とも呼ばれる)によると 宇宙にあるすべての物質やエネルギーは、 とてもちいさな振動するひもの 共振パターンの変化によって生じるという。 ひとつの微小なひもが その共振パターンを変化させることで 重力や強い力、弱い力、電磁力の違いが生じる。 光と電子の違いも共振パターンの違いに過ぎない。 光や電子が粒子の性質と波動の性質を併せ持つのは それらが振動するひもの共振を通じて生成しているからだ。 そして、あらゆる物質の差異も ひもの共振パターンの変化によって 生成する。 アインシュタインは 物質の質量とエネルギーが相対的に 相転じるものだということを発見した。 ●クオリアの共振とひもの共振今日わたしたちは、 ひも理論の考えを学問の境界を超えて発展させ、 物質やエネルギーだけではなく、 生命やクオリアもまた、 ひもの共振パターンの変化によって 生じているのではないかと予測できる 場所にまで到達した。 もちろん、そこまで拡張するためには 生命とは、物質が運動するプロセスと そこから非物質的と考えられる生命が生成する プロセスが一個二重のプロセスによって 成り立っているものだという認識が必要になる。 物質の運動が、 自己生成的なオートポイエーシス・システムに 発展することによって はじめて生命は発生した。 (オートポイエーシス論はまだ生まれたばかりで それが生命やクオリアの全貌を捉えるには 今後何段階もの飛躍的発展を 待たねばならないだろう。 だが、基本的見通しはできている) そして、生命のプロセスが さらに一個多重のプロセス複合し、 まだわれわれにとっては未知のしくみによって 自己認識=世界認識システムを 獲得することでクオリアが生まれた。 ここでは、クオリアとはあらゆる生物が持つ 自己=世界認識の仕組みを媒介するものだと 定義することができる。 人間もあらゆる生物同様、 体感や質感、実感といった 言葉にならないクオリアによる 世界=自己認識システムを持っている。 普段の私たちは日常の意識によってマスキングされて、 意識の下部のからだの闇で クオリアによる世界=自己認識システムが 作動していることに気づかない。 そう、クオリア認識システムは フロイドやユングが発見した 無意識や集合的無意識といった不可視の世界に 追いやられてしまっているのだ。 だが、人間がそうなってしまったのは たかだかここ2、300年のことだ。 近代社会の意識優先モードの意識が 標準化されるほんの少し前の時代まで、 ひとびとは自然の流れや 動植物のクオリアと共に生きていた。 いまでも、アジアやアフリカの 都市化されていない地域に住む人々は クオリア流動による世界=自己認識を たっぷりと維持している。 これをクオリア流動覚と呼ぶ。 あえて流動という言葉をつけるのは、 クオリアがいつも流動していて、 けっして言語のように静止することがない 別次元に属するものであることを いつも忘れないためである。 クオリアが共振することを述べるために 長々とわき道にそれた。 だが、これは世界のすべてを ひとつのつながりにおいて捉えるために どうしても避けられない道なのです。 ひも理論によれば、 ひもはわれわれが知る4次元時空のほかに 11次元の時空で振動しているという。
それをイラスト化したのが、上のカラビヤウ空間の図だ。 もっとくわしく見たい人は彼のサイト を探検してください。これ以外にも 興味深いイラストにあふれている。 11次元を二次元の図に描くために さまざまな要素を切り捨てているが 感じだけは伝わるのではないか。 極小スペースでひもがさまざまな次元に伸縮しつつ 共振しているさまを想像してください。 私たちが持つクオリアが無限であるように、 ひもの共振パターンの変化もまた無限である。 クオリアの無限さに対応する無限の可能性を持つものは ひも以外には考えられない。――これが、 わたしがひもの共振とクオリアが関係しているのではないかと 考え始めたきっかけとなった。 頭で11次元を思い描くのは無理だけれど、 からだごとカラビヤウ空間を動こうとするともっといい。 あたまよりからだのクオリアのほうが もっと自由であることを発見できる。 からだが無限のカラビヤウ空間の夢を見出すまで ゆらぎ続けてみてください。 ほんとうに色々なものとの不思議な共振が 起こり始めるから。 |
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