| <破>―転換 その3 能受転換 |
●転換その3 能受転換(Active/Passive APチェンジ) 転換の第3は、能動的に動く、アクティブ・モードと、 他の力で動かされるパッシブ・モードとの間の転換だ。 この転換を続けていくと、 自分を踊らせているのがほんとうは誰なのかが 分からなくなってくる。 最初はだれも自分で踊っているつもりだが、 他の力で動かされていることを感じて動くと 本当は自分ではない誰かが自分を動かしていると 感じられてくる。 だが、なにものかが自分を動かしていると、 感じようとしているのは自分なのだ。 だが、いったい自分とはなにか? 実際は、サブボディ世界には自己と他者、 内側と外側の区別などない。 踊っていれば、自分を踊らせているのが、自分であれ、 他の力であれ、そういう区別などどうでもよくなる。 それが自他無分別のサブボディ=コーボディ世界だ。 この練習には、調体(コンディショニング)の段階から あらゆるチャンネルを通じて、 じょじょに受動体モードに入っていく つぎの調体を行うとよい。 1.あらゆるチャンネルで、動かされるクオリアを味わう からだの一部が他の力に動かされる。 まずは体底(仙骨あたり)から順に、 さまざまな方向のさまざまな強さの力を受けて動かされる。 腹、背、胸、首、頭、顎、鼻、目、耳など あらゆる部位がさまざまなものに動かされる。 物理的な力で動かされるだけではない。 さまざまなチャンネルは実はすべて外界からの 影響によって動かされている。 クオリアはもともと受苦的なのだ。 重力、光、音、すべての五感の感覚は受苦的である。 腰が誰かに突かれる。 背中を思い切りどやされる。 肩にそっと母の手が置かれる。 首が誰かにつままれる。 胸に槍が刺さる。 石が腰に当たる。 耳に蚊が飛び込む。 顎が誰かに引っ張られる。 目に真っ赤なマグマが近づいてくる。 鼓膜が大音響で潰される。 舌が釣針で引っ張られる。 誰かに抱きとめられる。 2.悪魔に脳みそがかき混ぜられる 悪魔が頭蓋骨に穴を空け、そこから金属棒を突っ込んで 脳みそをかき混ぜる。 ――言語中枢をかき混ぜられて、ことばがめちゃくちゃに出てくる ――記憶中枢をかき混ぜられて、あらゆる時代の記憶が一時によみがえる。 ――情動中枢をかき混ぜられて、無数の情動が次々と入れ替わる。 ――体感中枢をかき混ぜられて、すべての体感が入り混じる。 ――動きの中枢をかき混ぜられて、ランダムな動きに衝き動かされる。 ――世界像=自己像中枢がかき混ぜられて、とんでもない世界像が入り混じる。 ……この練習を続けていると、じつはいつも無数のクオリアが 脳内で渦巻いていることに気づかされる。 その渦巻きを増幅するだけでだれでも、それらの 潜在的なクオリアを活性化することができる。 脳とクオリアの秘密に触れることのできる練習だ。 3.能動と受動が交錯する なにかをしようとすると、なにかに邪魔されてできない。 いいたいことがあるのに、いえない。 立ち上がろうとすると、内側から気力がくじけていく。 障害物にぶつかりつつ、やりたいことを追求していく。 七転び八起き、七転八倒の目にあう。 なにかをしようとしているうちに、やろうとすることが摩り替わってしまう。 やろうとすることを自分で邪魔してしまう。 無理難題を強いられ、無理だけどでもやって見ると決意する。 ……などなど、能動と受動の交錯図からは、 無限の人生模様が浮かび上がる。 本当は能動であることそのものが幻想なのだが 意識はそのことを知らない。 そのずれが、能受転換の味を深める。 能受転換には、人生の不条理が詰まっている。 |
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