| 自全瞑想 |
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以下の手順で自全(=自分の全体)に順々に出会っていく。からだの闇に潜む色々な自分に出会い、その存在を認め、友達になる。疎遠に遠ざけているままではそれらの要素が不満を感じて、ことあるごとに襲い掛かってくる。自分の中のすべての要素と友達になり、それらをコントロールできるようになるのが目的だ。 1.自分が一番したいことはなにか? 2.その問いに対し、自分の中でそれに到達するのを妨げているものはなにか? を問う。 3.また、その問いを推進して、自分の一番やりたいことに先導してくれるのは自分の中の誰か? をさぐる。1の問いに対し、消極的な反応を示す傾向と、積極的の呼応してくる傾向のすべてにあたる。 4.消極側の代表者に上位自我がいる。上位自我はこう生きねばならないという思い込みで固まっている。そしてその思い込みをわたしたちに押し付けてくる。正しい生き方を選ばねばならないとか、あらゆるものに平等に接しなければならないとかの美しい理念に凝り固まっている。誰の中にもいるから心配しないでいい。 5.次に足を引っ張るのは、臆病な老婆心だ。なにかをやろうとするとき、「そんなことして××になったらどうするの?」と最悪の想像をして押しとどめようとする。 5.上位自我の一種に、口先だけさがない批評家がいる。ありとあらゆる側面から、やろうとすることを批判し、こき下ろそうとする。言葉を覚え、物心ついたとたん、誰の中にも発生する。 これらのおなじみの分身に会えば、まず、自全の一員として認めることが大事だ。その上で、「君のことはよく知っている、だが出番は今じゃない」と、瞬間的に受け流す。それ以上取り合ってはならない。 6.それ以外にも自分固有の思考の癖がある。堂々巡りしたり、くよくよ気に病んだり、いろいろな癖がある。癖に陥りかけたら、すぐそれに気づいて癖と認知して引き返すことだ。 7.無意識の嗜癖もある。なにかを疲れきるまでやらなければ気がすまなかったり、分かっているのに止められない嗜癖に囚われることもある。これもなにかの理由でそうせざるを得なくなったのだから、その存在を認知してやること、そして、「今は一番やりたいことを探しているだから、また後でね」、と言い聞かせてバイバイする。 8.とても怠け者のだるいやつもいる。からだのだるさに捉えられてなにもしたくないやつ。この分身も大事なものだ。疲れたときには一番大事になる。そうなったときに一緒に横たわろうねと約束すればいい。自分が休みたいときに休めなかったからこの分身が横行するようになったので、休みたいときにすぐこの分身と仲良くしてすばやく休むようになればこの分身が出てくる余地はない。 9.そのほか、こずるいやつとか、いつも計算ばかりしている計算高い分身とか、怒りっぽいやつとか無数の分身がいる。それらすべてを自全のメンバーとして認知することだ。そして、いつか君を踊るからと約束する。サブボディが出番を見出すのを待てばいい。どんなけったいな分身にも長くやっているとかならず最適の出番が見つかることがある。そのときに思い切り踊ってやればいい。そう約束してもらえれば分身たちも安心して安んずることができる。間違っても圧殺しようとしてはいけない。身の危険を感じれば分身たちは窮鼠猫を噛むの勢いで反撃してくる。すべての分身は命の創造物だから否定しようとしてはいけない。自分で自全によって無限の肯定を与えるのだ。 10.次は、積極的に導いてくれる傾向を探る。自分の中の勇気のある行動者。この人は大事だから大事にする。ときどきおっちょこちょいで失敗をすることもあり、それが批評家や老婆心の槍玉に上がることもあるが、気にしない。失敗は行為につきものなのだ。失敗しても失敗してもトライし続けているとそのうち成功する。七転び八起きの不屈の精神を身につける。 11.自全の旅をしていると危機を救ってくれる盟友に出会うこともある。いろんな形で現われることがある。どれもとても大事だからその出会いを大事にする。わたしにとっての最大の盟友は、十年ほど前に作った伝染熱というソロダンスだ。ことあるごとにわたしを救い、大事なアドバイスをもたらしてくれる。 12.老賢者。無限の智慧を与えてくれる人。長い人生のうちには誰もが出会う。道ですれ違う人かもしれないし、夢の中に出てくる人かもしれない。私はどちらにもであったことがある。ふと飛び込んだ古道具屋の親父、沖縄の海岸でであった老婆から、大事なことを教えられた。最近では夢に世阿弥と禅竹が出てくる。さりげないしぐさでとても大事なことを示唆してくれる。 13.自分の中で一番うぶな希望。小さいころに懐いた希望や現実とはかけ離れた理想を手放してはいけない。それこそ君をもっとも遠くまで連れて行ってくれるかもしれない理想なのだ。どんなに現実離れしているかに思える理想でも握り締めていればいつか現実との接点がみつかる。 14.そのほか、自全を旅していると見知らぬ自分の側面に出会う。異貌の自己だ。自分の中にこんな面があったなんてと驚かされる。どんなに奇妙な存在に出会っても、とにかく、自全の一員であるかぎり認知していつか踊ろうと約束する。絶対に無視してはいけない。無視されると必ず形を変え、姿を変えて襲い掛かってくるから。君は一生その分身のとりこになることになる。 15.最後にこれらのプロセスを見守る産婆になる。自全のなかのまだ認知されていないサブボディは、いわばまだ生まれていない胎児のようなものだ。それがいつどんな形で生まれたがっているかの気配に耳を澄まし、無事誕生をまつ。急がしてもろくなことにはならない。胎児が自分の力で出てくるのをただ温かく見守るのだ。そしていざというときにそっと手を貸してやるだけでいい。 |