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立ちゆらぎ瞑想


1 立ちゆらぎ

一番心地いい場所にゆったり立つ。
膝をゆるめ、少しずつゆらぎだす。
前後左右に小さくゆれる。
タツノオトシゴのように立ち泳ぎしているイメージがいい。
想像上のしっぽが誰かにゆすられるのでゆらぐ。
時計の文字盤の十二方向にゆらぐ。
膝からゆらぎ、腰からゆらぎ、胸からゆらぎ、頭からゆらぐ。
ゆらぎを始める場所が変わると受ける感じが少し変わる。
その微細な差異をあじわう。
どこからゆらいでもからだの前後左右斜めの筋が伸び、
なめらかにゆらげるようになるまで硬い場所をなくしていく。
誰かに尻尾を回されるので、からだも回る。
最初は直径10センチの円、30センチの円から50センチ、
1メートルと最大まで拡大していく。

2 各チャンネルを開く

体感チャンネル

ゆらぎながら、からだの各部の体感が変化していくクオリアを聴く。
はじめの硬いからだのクオリアから、
じょじょに柔らかくなり、次第に液状化していくとき、
どんな変化を感じるか、微細な差異を味わう。
もっとも心地よい流体化したからだになるまで続ける。
からだが流体化すると、心身にどんな変化が起こるか、
じっくり味わう。
その変化が毎日の楽しみになるまで続ける。

運動チャンネル

さまざまな仕方でゆらぐ。
ゆらぎが始まる部位を変えていく。
足裏からゆらぐ。膝から、腰から、胸から、頭からゆらぐ。
ゆらぎの次元を変える。
水平にゆらぐ。矢状次元にゆらぐ。戸板次元にゆらぐ。
時計の文字盤の12方向にゆらぐ。
速度を変える。もっともゆっくりした速度から、
すこし速める、遅らす。
最後は心地よくランダムにゆらぐにまかせる。
からだがその日のもっとも心地よいゆらぎを
勝手にみつけていくのに従う。
ときに動きを止め、体温や、硬さや、心拍や、血流、血圧の
変化に耳を澄ます。

映像チャンネル

じょじょに目を閉じていく。
半眼から完全に閉ざすまでさまざまな明暗でゆらぐ。
口をゆるめ、暗くなるにつれて意識モードから
下意識モードに変化していくプロセスを味わう。
どうすればもっとも心地よくサブボディモードになれるか、
研究しながらゆらぐ。

音像チャンネル

さまざまな呼吸でゆらぐ。
体底呼吸、複式呼吸、胸式呼吸でゆらぎ、違いを味わう。
口と喉をゆるめ、自然に起こる体腔音に従う。
自然な心地よい音像流がでてくれば、それについていく。
日によって出てくる音像流が変化するのを楽しむ。

情動チャンネル

ゆらぎながら、からだの状態に応じて、
からだを流れるかすかな情動シグナルが変化するのを微細に味わう。
どんなゆらぎのときに、気持ち悪い情動が感じられるか?
心地よい情動に満たされるのはどういうときか?
記憶や情景が出てくればそれを楽しむ。
ゆらぎにつれて、からだの流体化につれて
封印されていた記憶や情動が流れやすくなるのを感じる。


3 生命史をさかのぼる

ゆらぎながら、じょじょに人間から、
より原生的な生命のクオリアの味わいかたになりこんでいく。

人間の意識モードのクオリア

人間は大脳皮質で味わうクオリアがメインになっている。
通常の日常意識では、自分がクオリアを味わっていることが
等閑視されている。それをじょじょに破り、
言語意識の基底部でどうクオリアを感じているか、
注意深く観察する。
その場で感じているクオリアと、
脳のグリア細胞に保存されている記憶や夢などの
内クオリアとが共振しているのを感じる。
いまここではない時や場所に関する
内クオリアが奔流してくればそれに任せる。
下意識モードへの坑口が開いたことになる。

下意識モードのクオリア

ゆらぎながらじょじょに意識レベルを落としていく。
どういう変化が起こるか?
命が感じている微細なクオリアが少しずつ鮮明に
感じられるようになってくる。
下意識モードの心地よさの中で、
クオリアの海に浸る。
このとき、意識下では、大脳辺縁系や視床下部、脳下垂体と、
からだの各部の細胞との間で、ホルモンや神経ペプチドなどの
神経伝達物質を通じたコミュニケーションが行われている。
そのクオリアが情動としてからだからこみ上げてくる。
ドーパミンの快感、アドレナリンの興奮、セロトニンの落ち着き、
オキシトシンの親しみ、エンドルフィンの恍惚などが入り混じりあった
複雑なクオリアが意識を通さず、
上記の脳の深部と各体細胞のあいだで交わされている。
それをごく微細な体感の変化を通じて味わう。

動物段階のクオリア

獣や鳥などの動物は、大脳皮質よりも、脳幹や小脳などの
もっと本能的な反射でからだを統御している。
ゆらぎを深め、バランスを崩しそうになると、
からだが勝手にバランスを取っているのを感じる。
小脳の姿勢制御や運動制御の働きを味わう。
さらに、脳幹部で心拍や呼吸など循環系の生命機能が
コントロールされているのを感じる。
これらの深層クオリアは、大脳皮質とグリアとの相互作用ではなく、
脳幹や小脳と体細胞との直接の相互作用で行きかっている。

多細胞生物のクオリア

ゆらぎながら、仙腸関節や胸鎖関節を開閉しながら、
少しからだをしぼめ、より下等な多細胞生物になりこんでいく。
脳や脊髄神経が未発達な生物、やさらに下等な散